2011 Fiscal Year Research-status Report
組み込み型機器のためのGUIデザインパターンの体系化および活用
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23611055
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Research Institution | Hyogo Prefectural Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 一郎 兵庫県立工業技術センター, ものづくり開発部, 主任研究員 (80470243)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | GUI / ユーザインタフェース / デザインパターン |
Research Abstract |
本研究の目的は、操作性を考慮したGUI(グラフィカルユーザインタフェース)の設計手法を確立することである。今年度は、GUIで用いられている汎用的な操作方法や表現方法等をGUIデザインパターン(以降、パターン)として収集し、形式概念化分析を用いてパターンの包含関係を把握した。さらに、収集したパターンをGUI設計で活用するためのアプリケーションを試作した。具体的には下記5点を実施した。1)産業機器や医療機器、キオスク端末、家電製品等の128サンプルからタッチパネル式操作画面に多く用いられている84種類のパターンを収集し、各パターンの「概要」「効用」「事例」を記述した(デザイン学会 第4支部大会で発表)。2)収集したパターンの包含関係を把握するため、ユーザインタフェースに関する29要素(先行研究)と84パターンの関連性について形式概念分析を用いて分析した(デザイン学研究に投稿)。3)ユーザインタフェース設計の経験者53名にアンケート調査を行い、「GUI設計に必要な設計項目」として18項目を抽出した。4)GUIを設計する際、体系化したパターンの中から最適なパターンを選択しやすくするため、設計対象の入力デバイスやデザインコンセプト、重要視する設計項目に応じてパターンが絞り込まれるアプリケーションを試作した(第7回感性工学会春季大会で発表)。5)試作した設計アプリケーションについて、設計者から意見を聞き、現状の問題点や要望を集めた(人間中心設計機構の講演会を通じて意見を聞いた)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標であった「GUIデザインパターンの収集」と「収集したGUIデザインパターンの体系化」は既に実施済みである。現在は、次年度の目標のひとつである「GUIデザインパターンを活用した設計手法の検討」について取りかかっており、設計手法のたたき台である「設計アプリケーション」も試作した。さらに、試作したアプリケーションについての問題点や要望も企業でヒアリングを行った。当初の計画以上に研究は進んでいるが、試作したアプリケーションに関する要望から下記2点の修正が必要であることがわかった。・GUIデザインパターンの追加・GUIデザインパターンの体系化の修正計画以上に研究を進めることができた反面、今年度の実施内容である上記2点の修正を次年度で実施する必要があるが、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をもとに、下記4点を行う。1)GUIデザインパターンの追加:タッチパネル入力以外で用いられるGUIデザインパターンについても収集する。2)GUIデザインパターンの体系化の修正:形式概念分析で把握した包含関係をもとに、階層分けを行う。3)GUIデザインパターンを活用した設計手法の構築:構造化コンセプトのUIデザイン項目と、体系化したパターンとの対応付けを行い、一連のGUIデザイン案を創出する方法を検討する。さらに、設計手法に基づいた設計支援システムを試作する。4)産業界での実証実験:設計支援アプリケーションの有効性について、アンケート調査とインタビュー及び被験者へのユーザビリティ評価を実施し、実験結果をもとにアプリケーションの修正を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究費は殆ど執行しており、当初予算を計画通り執行している。次年度は、国内だけでなく国際学会でも積極的に研究発表を行い、研究者からの意見も収集する。また、タッチパネルと複数の入力デバイスを搭載した設計支援システムを試作し、産業界や高齢者に評価してもらう予定である。主な研究費の用途として、下記3点を計画している。・学会参加費(国内6件、海外2件)・設計支援システムの開発費・実験協力者の謝金、実験会場費
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Research Products
(7 results)