2013 Fiscal Year Annual Research Report
染色体分配を司る有糸分裂後期紡錘体の伸長メカニズム:紡錘体の発生力の定量的解析
Project/Area Number |
23612006
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
板橋 岳志 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (20434384)
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Keywords | 細胞分裂 |
Research Abstract |
紡錘体の伸長によって、染色体が娘細胞に正確に分配される有糸分裂後期の制御メカニズムは、多くの分子の分子生物学的同定や、細胞生物学的な観察に基づく分子機構の予測を中心に研究されてきた。本研究では、染色体分配機構における“紡錘体が発生する力”を、MEMS力センサー法などの生物物理学的手法を加味することによって定量化し、時間的・空間的に解析する。また、その力を発生するモータータンパク質類のそれぞれの寄与の程度を定量化する。これにより、有糸分裂後期から細胞質分裂にいたる“力”の役割を反映した染色体分配制御モデルを構築することを目的とする。 本年度は、有糸分裂後期の正常細胞において、染色体分配を開始した後の紡錘体の伸長や分裂溝陥入による、細胞変形に伴って発生する力を定量的に計測した。細胞骨格動態に対する種々阻害剤存在下において、発生力と細胞分裂動態の関係を定量化し、有糸分裂後期の細胞伸長力の発生源を特定した。 また、1)紡錘体構造と染色体分配機構への力学的摂動の影響 (Itabashi, BIOPHYSICS, 2013)、2)染色体を輸送する分子モーターの運動を紡錘体内でリアルタイム観察する方法 (Takagi, Scientific Reports, 2013)、3)紡錘体の大きさを決めるパラメータ (Takagi, Cell Reports, 2013)、4)紡錘体の極間軸方向の力学特性 (Takagi, Biophysical Journal, 2014)、について論文報告を行った。
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