2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜伸展により分泌された伝達物質を介する細胞容積感受性アニオンチャネル制御機構
Project/Area Number |
23612008
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
秋田 天平 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00522202)
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Keywords | 細胞容積感受性アニオンチャネル / 細胞膜伸展 / ATP / グルタミン酸 / タウリン / カルシウムナノドメイン / 細胞容積調節 / 細胞移動 |
Research Abstract |
本研究は細胞膜伸展刺激が加わった際に細胞から分泌される化学伝達物質の作用により誘起される細胞容積感受性外向整流性アニオンチャネル(VSOR)活性化機構と、その機構による細胞容積及び形態の制御、そして細胞群全体への容積制御の波及効果について検討し、種々の物理的ストレスが細胞(群)に加わった際の適応機構を理解するのみならず、細胞の形態変化や移動の基本制御原理の解明を目指すことを目的とした。初年度と次年度では、マウス大脳皮質由来アストログリア細胞において細胞膜伸展刺激により分泌されるATPやグルタミン酸の作用が、Ca2+透過型イオンチャネル開口部近傍に形成される高Ca2+濃度領域「Ca2+ナノドメイン」を介してVSORを活性化する機構が明らかとなり、細胞の形態変化や移動時の1細胞上の局所的な容積変化を駆動する基盤機序の一端が解明された。 最終年度はマウス胎生期脳内での神経細胞の増殖や形態変化及び移動の過程におけるVSOR活性化機構とその意義についての検討を行った。胎生脳神経細胞でのVSOR活性化の報告は皆無であったことから、まず胎生脳大脳基底核原基内の神経細胞を急性単離した標本を用いて、低浸透圧環境への暴露により胎生脳神経細胞においても確かにVSORが活性化されることを確認した。続いて大脳皮質発達過程の脳室帯からの神経細胞の放射状移動におけるVSOR活性化の有無とその意義について検討したところ、移動中に活性化されるVSORを通じて常時タウリンが放出されており、そのタウリンが移動細胞上のGABAA受容体に作用することが、移動の過度の進展を制御して大脳皮質の適切な発達を促すために必須であることが明らかになった。この成果は学会及び論文にて報告した。今後、その移動中のVSOR活性化がどのような細胞間相互作用や膜伸展刺激により誘起されているかについて、継続して検討を進める必要がある。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] De novo mutations in GNAO1, encoding a Gαo subunit of heterotrimeric G proteins, cause epileptic encephalopathy.2013
Author(s)
Nakamura K, Kodera H, Akita T, Shiina M, Kato M, Hoshino H, Terashima H, Osaka H, Nakamura S, Tohyama J, Kumada T, Furukawa T, Iwata S, Shiihara T, Kubota M, Miyatake S, Koshimizu E, Nishiyama K, Nakashima M, Tsurusaki Y, Miyake N, Hayasaka K, Ogata K, Fukuda A, Matsumoto N, Saitsu H
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Journal Title
The American Journal of Human Genetics
Volume: 93(3)
Pages: 496-505
DOI
Peer Reviewed
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