2013 Fiscal Year Annual Research Report
橋渡し研究被験者の理解度・心理状況の解析に基づく説明文書作成ルールの策定
Project/Area Number |
23613002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長村 文孝 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90282491)
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Keywords | 橋渡し研究 / 被験者 / 説明同意文書 / 心理状況 / 理解度 |
Research Abstract |
人間を対象とした臨床試験では被験者への適切な説明と同意取得からなるインフォームド・コンセント(IC)の取得は必須である。説明すべき内容は、法規・指針等で定められているが、研究の資金源、利益相反、知的財産権の帰属先等の被験者にとって馴染みがないであろう項目も要求されるようになっている。近年、アカデミアにおける基礎研究の成果を臨床応用する橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)が医療開発において重要な役割を果たすようになってきている。橋渡し研究は第一相試験あるいは早期第二相試験までの初期段階の臨床試験が含まれる。被験者の多くは、がん患者で他に標準療法の無い段階であるか、Quality of Life (QoL)が損なわれていて他に有効な治療のない段階の再生医療の対象であることが多い。このように生命予後あるいはQoLが脅かされいるため、治療あるいは治療結果への関心が高く、その他の事柄についてはそれほど関心がない場合がある。また、心理的にも不安定であることが多い。このような状況では、単に説明事項を漏れの無いようにするだけではなく、被験者の心理状況や理解度を説明者が把握してIC取得を行わないと、理解が適切になされ、納得して試験にエントリーしているのかが不明瞭となる。 東京大学医科学研究所附属病院では橋渡し研究の参加者に対しては臨床心理士が面談を行い、被験者の理解度あるいは心理状況を評価し、まとめた報告書を医療スタッフが参考としてきた。今回、この報告書を解析し、被験者に説明する上での留意点をまとめ、そこからルール化できないかを検討した。研究への期待度は必ずしも理解度とはきれいな相関はなく、そのため過剰な期待への注意は怠ってはならないこと等が判明した。また、他の報告と対比して検証し、矛盾が無いことを確認し、これらを説明同意書の雛形に留意点として記載した新たな雛形・手引きを作成した。
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[Presentation] 多発性骨髄腫におけるLINE-1異常低メチル化と臨床遺伝子学的特徴の相関2013
Author(s)
M Nojima, Y Aoki, H Yasui, R Maruyama, E Yamamoto, H Asaoku, T Tokino, F Nagamura, T Ishida, K Imai, Y Shinomura, H Suzuki
Organizer
第72回 日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
20131003-20131005
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