2013 Fiscal Year Annual Research Report
米国ワシントン州の終末期医療と尊厳死について:今後の課題と我々への示唆を探る
Project/Area Number |
23613008
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
蒲生 忍 杏林大学, 保健学部, 教授 (90122308)
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Keywords | 尊厳死 / 緩和医療 / 医療倫理 / 終末期選択 |
Research Abstract |
米国ワシントン州(以下、ワ州)では州民の直接請求により2008 年に尊厳死法が成立・施行された。1997 年のオレゴン州に続き、終末期の患者が自身で服用することを条件に致死量の薬剤を処方することを許容する法である。新たに尊厳死に直面するワ州で医療者がどのような立場で尊厳死に直面しているのかを探ることを目的として、ワシントン大学(以下、UW)生命倫理学のMcCormick博士を現地での主要な研究協力者として以下の研究活動を行った。 2011年度の研究活動:米国ワ州シアトル市のUW家庭医学准教授、大学病院での緩和医療責任者のFarber博士の招聘事業(2012年3月)。 2012年度の研究活動:UWでMcCormick博士が主催する第25回夏季医療倫理セミナーへの参加及びインタヴュー調査(8月)。ワシントンDCで開催されたアメリカ生命倫理学会の第14回年会への参加及びシアトル市でのインタヴュー調査(10月)。McCormick博士の招聘事業(2013年3月-4月)。 2013年度の主要な研究活動:UWでの第26回夏季医療倫理セミナーでの招待講演Decision Making for the Oldest Old: A Japanese Perspectiveの実施及びインタヴュー調査(8月)。米国ジョージア州アトランタ市で開催されたアメリカ生命倫理学会の第15回年会への参加とシアトル市でのインタヴュー調査(10月)。 ワ州での尊厳死を選択した人数やその状況は2008年以降、年間約5万人の死亡者中100名前後(が尊厳死を選択しその約8割が尊厳死する。先行するオレゴン州と同様にほぼ同率、オランダで実施される安楽死が全死亡中2-3%に比べ低い水準である。これは米国の医師達が尊厳死を選択肢として明示するが、緩和医療等への誘導や社会的な援助を明示することにも積極的であることが要因と推測される。
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Research Products
(1 results)