2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23614002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
敷田 麻実 北海道大学, 北海道大学観光学高等研究センター, 教授 (40308581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海津 ゆりえ 文教大学, 国際学部, 准教授 (20453441)
西村 千尋 長崎県立大学, 経済学部, 教授 (60237732)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 中間システム / 地域ツーリズム / 地域振興 / 観光まちづくり |
Research Abstract |
今年度は、観光まちづくりや着地型観光に関する文献や資料を収集・精査し、本研究のデザインの明確化を図るとともに、文献・資料のデータベース化を図った。参加研究者それぞれが現地フィールド調査を実施し、主要なアクターへの聞き取り調査、統計データや行政資料、観光まちづくりや着地型観光に関する資料の収集・分析、特に地域社会にどのような効果をもたらし、何が還元されているかについて明らかにした。行った主な内容は、聞き取り調査の内容を文章化し、データベース化、聞き取り調査の項目毎の評価分析(調査の内容を、経済効果、非経済効果・行動変容・制度変容、社会再生などの項目毎にデータベース化し還元内容を評価、年表化(観光まちづくりのプロセス、評価項目毎の年表を作成、ステークホルダーの関係図、中間システムを構成するステークホルダー間の関係を図化である。 また研究代表者の敷田が主に担当し、7月、12月、2月に3回の共同研究会を開催した。第1回研究会では関係性モデルの内容共有や調査地の変更、研究デザインの確認を行った。2回目以降は、フィールド調査の進捗報告と具体的な事例に関する議論を行った。なお今年度は、北海道知床地域(原生自然の保全と活用のバランスを意識した観光まちづくり)、石川県加賀市(自然保護と伝統猟法の共存とまちづくり)、三重県鳥羽市、長崎県九十九島(国と地方自治体の連携による観光効果の地域還元)を対象として調査を進めた。 知床地域では関係者からの聞き取りやエコツーリズム戦略の推進体制について調査した。加賀市では、予備調査として関係者のネットワークの聞き取りを行った。三重県鳥羽市では中間組織としてのガイド会社である「海島遊民クラブ」の組織と活動に関する実態調査としてヒアリング調査を行った。長崎県九十九島では資料収集や聞き取りに加え、九十九島を代表する希少生物を対象としたアンケート調査も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時に予定していた東北地方の調査地、福島県白川地域および福島県裏磐梯地域での調査が中止せざるを得なくなり、新たな調査地を探し、また現地の関係者の予備調査をした上で、調査可能性を検討するために半年を要した。そのため研究全体の進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
震災で調査ができなくなった調査地、福島県白川地域および福島県裏磐梯地域の代わりに選定した新たな調査体制を確定する。平成24年度は、新たに設定した調査地の予備調査も終えて、北海道知床地域(原生自然の保全と活用のバランスを意識した観光まちづくり)、石川県加賀市(自然保護と伝統猟法の共存とまちづくり)、三重県鳥羽市、長崎県九十九島(国と地方自治体の連携による観光効果の地域還元)を対象として調査する。なお比較調査として、インドネシアボゴール地域や国内の比較事例地域ツーリズム支援活動も調査しモデル化のための比較対象とする。この中でも特に、長崎県九十九島のひとつである黒島の調査を行う。九十九島において、中間システムを担っている(株)させぼパール・シーの作ったツアープログラム「黒島めぐり」を対象として、島内の主要なアクターへの聞き取りや資料収集を行うことを計画している。これらの結果を踏まえ、中間システムモデルの機能の検証を行う。 以上、現地フィールド調査では、中間システムの機能を担う組織・団体のガバナンスのあり方や、たんに地域資源を観光に活用するだけでなく、観光を通じて生み出された「交流」そのものの資源化の可能性について、主要なアクターへの聞き取り調査や資料収集を行っていく。また、必要に応じて、地域住民を対象としたアンケート調査を実施し、地域還元の効果や観光まちづくりの推進による満足度などを調査する。 また、平成24年度の共同研究会は、それぞれの調査対象地域も含め計3回開催する。それぞれの共同研究会では申請者や関連する研究者だけでなく、地域主導の観光まちづくりを進める地域アクターにも出席・報告していただく。これによって調査内容を幅広く共有していくとともに、調査対象地域への研究成果の還元を図っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地調査のための旅費および謝金、また聞き取り調査や文献データのデータベース化を進めるための謝金や委託費を計上する。さらに、現地調査及び事例分析を踏まえ、敷田が提示しているサーキットモデルや中間システムモデルなどを基本として、自然再生による地域社会の変容とその過程を包括的に評価するための理論的課題を抽出し、自然再生の社会的変化を評価するモデルを構築する作業を行うための研究会をワークショップとともに実施する。 なお、平成23年度未使用額の発生理由は、震災の発生とその影響で予定していた東北の福島県白河地域および福島県裏磐梯地域の調査ができなくなったためである。またそのこともあって、事前の研究者同士の共有のための研究会を先に開催して、研究計画の共有を図ったために全体の進行が遅れた。未使用額の使用計画については、平成24年度に研究協力者も参加した事例研究を行うことで使用する。 また北海道内の資源の戦略的利用のケーススタディおよびインドネシアボゴール地域のエコツーリズムとその地域還元についてを調査対象に加えることで執行する。
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