2012 Fiscal Year Research-status Report
ヘリテージ化されるキリシタンと場所の商品化に関わる観光地理学的研究
Project/Area Number |
23614005
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松井 圭介 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60302353)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須山 聡 駒澤大学, 文学部, 教授 (10282302)
呉羽 正昭 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50263918)
佐藤 大祐 立教大学, 観光学部, 准教授 (20405616)
|
Keywords | 聖地創造 / 長崎 / 教会群 / キリシタン / 観光戦略 / 世界文化遺産 |
Research Abstract |
宗教現象は古来,人間の観光行動と密接な関係を持っているが,わけての聖地巡礼がもたらす観光流動の実態や,付随する観光関連産業の発展,地域の社会構造変化などのテーマは現代を読み解く上でも重要な課題である。本研究では,2007年1月に世界文化遺産暫定登録リスト入りした「長崎の教会群」を事例に,長崎におけるキリシタン文化がヘリテージ化されていく過程を検証し,ヘリテージ化されたキリシタン文化が,長崎のロカリティとして商品化されていく動態を明らかにすることである。 平成24年度は研究2年目として,以下の4点について実績を得た。 1)収集資料の整理:平成23年度の調査で得られた研究資料のデータを行った。2)現地調査の実施:長崎県ほか国内において,ヘリテージツーリズムにかかわる現地調査を実施した。3)研究成果の発表・公開:国際学会(IGU)および国内学会(日本地理学会ほか)において口頭発表を行い,研究成果について識者と意見交換を行った。あわせて研究の成果を学術書(『観光戦略としての宗教』筑波大学出版会,ほか)として精力的に公刊した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書における研究計画は順調に進展している。研究代表者と分担者は,ともに緊密に連携しながら,資料収集を進めるとともに,データの分析および研究成果の公開に取り組んでいる。国内外の学会での発表のみならず,複数の学術図書に成果を公開できたことは,当初の計画以上の進展といえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き,現地調査を実施するとともに,国内外の学会発表および学術論文(書籍)の刊行に努める予定である。さらには,交付申請書に記載の通り,研究成果の社会還元を図る。具体的には市民講座での出張講義や地元(長崎)への還元を考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
多くの研究資料が集まっており,研究資料の整理・分析が急務である。したがって研究補助者(非常勤)を雇用し,さらに研究の推進を図る予定である。
|