2011 Fiscal Year Research-status Report
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23614007
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 竜弥 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90254127)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 産業観光 / 産業博物館 / 産業遺産 / 国際研究者交流 / ドイツ |
Research Abstract |
平成23年度は、北海道函館市・北斗市、愛媛県新居浜市・今治市・内子町、ドイツ連邦共和国ルール地域(デュースブルク市、ミュルハイム・アン・デア・ルール市、エッセン市、ハッティンゲン市)及びケルン市の産業観光施設について、その規模、展示内容、展示方法、広報、アクセスなどに関する調査を行なった。展示形態による内訳は、屋内型の博物館14箇所、屋外型の展示施設4箇所、両者を併設した施設4箇所である。調査対象とした施設のうち国内で最も注目されたのは、新居浜市の別子銅山関連の施設であった。市内には銅山の遺構や関連の資料を展示する施設が3箇所(マイントピア別子、広瀬歴史記念館、別子銅山記念館)あり、それぞれに特色のある展示を行なっていた。ただ各施設を結ぶ交通手段に配慮が見られないため、集客面での相乗効果が十分に得られていないのではないかと思われた。ルール地域については、主要な産業遺跡の組み合わせ(炭坑、製鉄工場、積み出し港)が福岡県の事例と類似しており、両者の比較研究の必要性が認識された。また大規模な工場の遺構をほぼそのままの形で保存・活用する手法(デュースブルク・ノルト景観公園、ツォルフェライン炭鉱遺産群、LWL産業博物館ヘンリッヒスヒュッテ・ハッティンゲン)はわが国には見られないものであり、今後の産業観光施設のあり方を考えるうえで大いに参考になった。研究成果の公開については、前年度に口頭発表した福岡県の産業博物館と産業観光に関する研究を論文にまとめ、日本感性工学会論文誌(10巻4号、査読有)に発表した。そのほか基礎的な研究については、博物館学、観光学、産業史、産業遺産などに関する書籍を購入し、次年度の調査のための予備研究を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災のため、東北地方の調査を一時延期するなど調査計画を一部変更せざるをえなくなったが、それ以外はほぼ計画通りに進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
東北地方の調査は復興状況を見ながら進めることとし、ドイツ・ルール地域の調査を前倒して実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査計画の変更に伴う研究費の未使用分を次年度の研究費と合算し、ドイツ・ルール地域の調査を実施する。
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Research Products
(1 results)