2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23614007
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 竜弥 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90254127)
|
Keywords | 産業観光 / 産業博物館 / 産業遺産 / 国際研究者交流 / ドイツ |
Research Abstract |
平成24年度は国内の調査を実施せず、ドイツ連邦共和国ルール地域の2回目の調査とこれまでに収集した文献・資料の分析に集中した。ルールの主な調査対象は、産業博物館10箇所(LVR産業博物館オーバーハウゼン、同聖アントニー製鉄所、レックリングハウゼン変電所/電気と生活博物館、LWL産業博物館ヘンリヒェンブルク船舶昇降機、同ツォレルン炭坑、同ハノーファー炭坑、ヘッシュ博物館、ビール博物館、ドイツ仕事の世界展示館、ドイツ鉱業博物館)、産業遺産を活用した観光施設6箇所(オーバーハウゼン・ガスタンク、オスターフェルト庭園、ノルトシュテルン公園、エーヴァルト炭坑跡、ハンザコークス工場跡、ボーフム・センチュリーホール)、旧労働者居住区1箇所(アイゼンハイム)であった。ルール再生の起爆剤となったエムシャーパーク国際建築博覧会が終了して10年以上が経つが、産業遺産の保存・活用に向けた整備は続けられており、この地域の観光地としての付加価値はますます高まりつつあるように思われた。中でも産業博物館の充実度には目を瞠るものがあり、また産業遺産を活用した多彩なイベントの開催など、リピーターを増やす工夫も随所にみられた。反面、展示館や事務所として再活用できない建造物は年々劣化が進むので、これらをどう維持・補修していくかが今後の課題になると思われた。この点については現地でいくつかインタビューを行なったが、いずれも明確な回答は得られなかった。研究成果の公開については、前年度までに調査を終えた愛媛県の産業博物館について論文(査読有)を執筆するとともに、愛知大学経営学会ワークショップにおいて「産業博物館と産業観光」と題する口頭発表を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ルール地域の産業遺産の規模が当初の想定より大きかったため、調査にやや時間がかかっているが、それ以外はほぼ計画通りに進められている。
|
Strategy for Future Research Activity |
東北地方の復興についてはまだ目途が立たないため、当面はドイツ・ルール地域の調査と研究に集中する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査計画の変更に伴う研究費の未使用分を次年度の研究費と合算し、ドイツ・ルール地域の調査を実施する。
|
Research Products
(2 results)