2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23614007
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 竜弥 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90254127)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 産業観光 / 産業遺産 / 産業博物館 / 国際研究者交流 / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は本研究の最終年度であったため、これまで取りこぼしてきたドイツの産業遺産、産業博物館の調査に重点を置いた。主な調査地は、①クラウスタール=ツェラーフェルト、②シュトゥットガルト、③デッサウであった。 ①は、2010年にゴスラーの歴史地区とランメルスベルク鉱山に連結される形でユネスコの世界文化遺産に登録されたオーバーハルツ水利管理システムの拠点となる町である。山中にある広大なシステムを個人で見て回ることは難しいので、この町からガイドツアーが出ている。ツアーの内容は自然観光と一体化したもので、産業観光の新たなモデルとして注目される。町の中心部には見学可能な立坑2基と鉱山博物館もあり、ゴスラー地区との結びつきを強化すれば一層の発展が期待できる。②は、西南ドイツの中核都市である。世界的に有名な自動車博物館2館(メルセデス・ベンツ博物館、ポルシェ博物館)の他、G・ダイムラーゆかりの展示施設、市電やワインの博物館など、産業観光の資源も豊富である。今後の課題としては、恵まれた資源を機能的に結びつける観光ルートの開発が挙げられる。③は、1996年にヴァイマールとともにユネスコの世界文化遺産に登録されたバウハウス関連遺産群の所在地である。バウハウスの遺産はさすがに見事であるが、そもそもこの地にバウハウスが誘致されたのは、ここがユンカースに代表される航空・機械工業の集積地だったからである。市内には現在もH・ユンカース技術博物館があるが、バウハウスとの連携が見られず、貴重な観光資源を十分に生かしきれていない。今後の発展に期待したい。 研究成果の公開については、ルール地域の産業遺産観光について論文(日本観光学会誌第55号、査読有)を発表するとともに、日本観光学会第105回大会において「ドイツ・デュースブルク市の産業観光振興策」と題する口頭発表を行った。
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Research Products
(2 results)