2011 Fiscal Year Research-status Report
国有林の森林レクリエーション事業を中心とする多様なパートナーシップの形成
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23614008
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
大浦 由美 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (80252279)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 森林レクリエーション / 国有林政策 |
Research Abstract |
1. 全国的概況の把握:林野庁および中部森林管理局の「レクリエーションの森」担当部局においてヒアリング調査を実施し,2000年以降のレクリエーションの森の運営状況,特に2005年以降の「レクリエーションの森のリフレッシュ対策」の動向について把握および資料収集(中部森林管理局)を行った。その結果,管内各地の地域管理経営計画策定時に既存のレクリエーションの森についても廃止を含む見直しが進められつつあることが明らかとなった。その際の「基準」としては,林野庁での「国有林の『レクリエーションの森』に関する検討会」報告をふまえつつ,各森林管理局においても2005年頃に「レクリエーションの森リフレッシュ検討会」等の場で議論が行われている。例えば中部森林管理局においては,現段階における利用実態の有無とともに,将来的な見通しとして,管理運営協議会の設置と「実体化」も見直しの基準に含まれており,この間,多くのレクリエーションの森において,管理運営協議会等,市町村および地元関連主体を中心に管理運営体制の見直しが図られたことが推測できる。2. 代表的な事例地の実態視察(予備調査):国有林内の代表的なレクリエーションの森である屋久島自然休養林(九州森林管理局)および高尾山(レクリエーションの森ではないが,代表的な都市近郊型の観光地である)の利用実態を視察し,管理運営体制について調査した。パートナーシップ形成の現状については今後も引き続き調査する。3. 行政資料の整理・分析:我が国における森林の観光利用と運営の推移を明らかにすべく,「レクリエーションの森」制度が創設された1970年代以降の国有林野事業関連資料および国の森林(自然)地域の観光利用に関する提言等,行政資料について,収集・整理・分析を行っている途上である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1. 各地のレクリエーションの森の管理運営体制の整備状況等について,アンケート調査を実施する予定であったが,中部森林管理局等へのヒアリング調査の結果,予想以上に様々な実態があることが予測されたことから,ある程度予備調査を進めてから調査票を作成した方が効果的であると判断し,実施を遅らせることにした。2. 調査対象事例については,林野庁によって設定された「リーディング・プロジェクト」7カ所を中心に選定する予定であったが,ヒアリングの結果,必ずしも当該地で先進的な取り組みが推進されているとは限らないことが明らかとなり,調査対象地の選定について早急に再検討する必要に迫られている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. レクリエーションの森における管理運営体制の整備状況に関するアンケート調査を早急に進める。2. H24年度については,中部森林管理局および近畿中国森林管理局管内における実態調査を進める。調査対象地については,前年度の成果をふまえて再検討を行い,早急に決定する。3. 北海道森林管理局および東北森林管理局への予備調査を実施する。4. 予備調査および実態調査の対象地について,諸事情により当初の研究計画とは違う順番になっているが,研究の遂行上問題はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・図書・資料(自然資源管理関連図書,協働・NPO運営関連図書等)および消耗品(事務用品,プリンタインク等)として155千円+次年度使用額228円・旅費(長野県,大阪府,京都府,北海道,青森)として520千円・人件費(研究補助)として75千円・その他(複写費,通信費)として50千円
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