2012 Fiscal Year Research-status Report
国有林の森林レクリエーション事業を中心とする多様なパートナーシップの形成
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23614008
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
大浦 由美 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (80252279)
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Keywords | 国有林 / レクリエーションの森 / パートナーシップ / 管理 |
Research Abstract |
林野庁国有林野総合利用推進室,盛岡森林管理署,関東森林管理局ににおいて「レクリエーションの森リフレッシュ対策事業」についてヒアリングおよび資料収集を行った。レク森の見直し・廃止については,2005年から2011年の7年間で合計294件,うち廃止173件,一部見直し120件が行われたことが明らかとなった。廃止になった箇所は,風景林(原則として整備されない)およびレク森として選定されたものの,開発計画のみで現在まで整備がなされなかった箇所,整備されたものの実質的に利用がほとんどなく建造物も老朽化していて地元に存続の意思がないもの,の3通りに区分できる。リフレッシュ対策事業のコンセプトである「量的充足を重視する取組から質的向上を重視する取組へ」に向けたハード面での方針転換は着実に行われたと理解できる。一方,リーディングプロジェクトとして全国7箇所のレク森が選定されているが,必ずしもそれらにとらわれない形で「協議会」方式の再整備や「サポーター制度」の導入などが行われている。さらに,レク森の周辺に「ふれあいの森」や「社会貢献の森」など,ボランティア活動拠点が整備されたり,自然再生推進事業として自然再生活動や森づくりが進められたりと,レク森が単に国民にレク機会を提供するだけでなく,森林との多様な関係構築を促す場として機能し始めており,こうした活動の拡がりを通じて,協議会のあり方も従来とは大きく変化している。 また,関連する取組として,環境省による国立公園内での利用調整制度の運営について,吉野熊野国立公園西大台地区を対象として自然保護官および入山手続きに関わる事務を受託している上北山村商工会においてヒアリングを行った。しかしながら,パートナーシップ形成という点で,現時点においては有効に機能しているとは言い難い状況であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1) 他のプロジェクトとのエフォート管理に問題があった。 (2) 家族の健康問題により遠方の調査地への出張が困難であった(現在は解決済み)。 (3) 各地でのヒアリングの結果,予想以上に制度面でも拡がりがあることが判明し,その整理に追われた。 以上の理由から,現地調査についてやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 現地調査を重点的に進める。 (2) エフォート管理を厳密に行い,本研究を最優先とする。 (3) 北海道森林管理局,東北森林管理局,近畿中国森林管理局における実態調査を進める。 (4) 予備調査および実態調査の対象地について,諸事情により当初の研究計画とは違う順序になっているが,研究の遂行上は問題ない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・図書・資料(地域史関連図書)および消耗品費として55千円+次年度使用額504円(端数処理のため) ・旅費(北海道,秋田県,青森県,大阪府,高知県,熊本県)として530千円+次年度使用額190千円(昨年度,家族の健康問題により訪問できなかった北海道調査の旅費として使用) ・人件費(研究補助)として75千円+次年度使用額57千円(昨年度分の調査資料の未整理分の研究補助として使用) ・その他(複写費,通信費)として40千円
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