2012 Fiscal Year Research-status Report
沖縄における持続的なワイルドライフ・ツーリズムの構築に関する実践的研究
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23614010
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
大島 順子 琉球大学, 観光産業科学部, 准教授 (40423735)
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Keywords | ワイルドライフ・ツーリズム / 環境教育 / 沖縄島やんばる / バード・ウォッチング / 自然保護 / 自然資源の保全と活用 / ガイドライン / プログラム開発と人材育成 |
Research Abstract |
野外での希少な生き物との出会いや野生生物を観ることを目的とする持続的なワイルドライフ・ツーリズム(以下、WTと略す)の構築を目的とした本研究は、日本においては未成熟の観光形態である。第二年度は国外の調査研究事例をもとに日本におけるWTの構築に必須となる要素の構造化を目指し、国内外の先進的な調査研究事例の多面的且つ構造的分析を目的として、まずWTの対象地の文献の収集ならびに現地調査とヒアリング調査を実施した。研究成果の一部は、2012年5月16~18日開催のWildlife Tourism Australia’s 3rd National Wildlife Tourism Workshop (於:豪州QLD州Gold Coast、主催者は、豪州のWT分野における国際学会に相当する組織)において、「Towards shaping sustainable wildlife tourism in Japan」と題する口頭発表を行った。日本のWTの情報は国外では未発表ということもあり、貴重な研究結果として継続した研究及び発表の機会を切望された。先進地視察として英国の王立鳥類保護協会(RSPB)の自然保護区を現地調査したが、バードウォッチング(以下、BWと略す)による環境教育の戦略的な保護活動への動向が把握でき、WTが自然資源の保全と活用における環境教育活動の可能性を証明する好例として位置付けられることを可能にした。また、英国スコットランド地方のBWツアーを専門とする旅行社へのヒアリング調査とツアー参加を通し、沖縄におけるWT展開にあたっての実践的なツアーモデルとしての好例を入手できた。そして、国頭村楚洲区において地域住民を対象とした研修会を5月と7月に実施し、沖縄島やんばるの持続的なBWツアーモデルの創出と実践に向けた具体的な取り組みの一歩を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献の収集ならびに現地調査とヒアリング調査は、計画通り実施することができた。バードウォッチング目的地としての沖縄島やんばるの潜在的価値の再評価については、予想以上に国内外の先行研究の分析に時間を要している状況ではあるが、海外の研究者からのアドバイスを受けて研究成果に導いていく。 沖縄島やんばるの持続的なバードウォッチングツアーモデルの創出と実践に向けた具体的な取り組みとして平成24年5月と7月に国頭村楚洲区において地域住民を対象とした研修会を実施し年度後半も開催する予定であったが、相次ぐ台風の襲来で現地の生活基盤が不安定となり、無理な開催は不適切と判断し開催を見送った。地域住民との連携による研究は、研究を企画する側の一方的な思いで実施することは当事者にとって迷惑となるばかりか研究の目的にも反することであり、今後も十分に配慮して取り組んでいくこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
1)第二年度の研究成果をふまえ、バードウォッチングの目的地としての沖縄島北部やんばるの潜在的価値の再評価に取り組むとともに、引き続き近年ヤンバルクイナが多く目撃されるようになった国頭村楚洲区において関係機関の取組み等の現状把握に努め、研究の位置づけを明確にした上で研究推進を図る。 2)同地域を主体としたバードウォッチングツアーモデルの創出に向けて、地域住民との関係づくりを含む具体的な作業を伴った研修会(ワイルドライフ・ツーリズムの理解、ガイドラインの策定やプログラム開発に向けて共通理解を育むための人材育成講座、ガイドブック作成等)の定期的な開催(企画・運営)に向けて調整し実施していく。 3)研究計画の予定通り、国内外の関連学会で研究成果を発表する。研究成果は、2013年7月6~7日開催の日本環境教育学会(於:滋賀県びわこ成蹊スポーツ大学)、2013年10月2~4日開催のWildlife Tourism Australia’s 4th National Wildlife Tourism Workshop (於:オーストラリアNT州Darwin)等において発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の最大の目的である沖縄島やんばるの持続的なバードウォッチングツアーモデルの創出と実践に向けて、最終年度は具体的なバードウォッチングツアーモデルの実施に取り組むため、展開に必要な実質的な経費(ガイドブック作成費、移動交通費)が必要となる。また、日本において未成熟な分野の調査研究であるため、海外の先進事例の正確な情報や先行研究の収集が不可欠であることから直接的な現地調査が欠かせなく、研究計画の予定通り、最終年度において研究代表者及び研究協力者の出張及び研究成果の検証・発表のため、関連学会への出席に関わる最低限の経費(交通費、宿泊費等)の使用が計上されている。
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Research Products
(3 results)