2012 Fiscal Year Research-status Report
観光地のライフサイクルに配慮した、地域計画に関する研究
Project/Area Number |
23614018
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Research Institution | Hokkai School of Commerce |
Principal Investigator |
中鉢 令兒 北海商科大学, 商学部, 教授 (50188497)
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Keywords | TALC(観光地の寿命モデル) / PLC-Profits(経営)モデル / イベント / パターンモデルの有効性 |
Research Abstract |
24年度の研究の進行の枠組みは、①イベント観光モデルと具体的施策の整理、②北海道の特殊な観光地での具体的検証、③広域移動機能の改善に伴う期待と具体的施策の調査と考察、の3項目である。以下にその結果は次のようにまとめられる。 本論の具体的施策の有効的モデルとして、イベント効果に関して分析考察をした。特にイベントとして代表的である万国博の役割を整理し、C.ガンの指摘しているイベントが持つ観光振興の訴求性について考察した。万国博の観光の役割については、都市学研究(No.49)で公表した。また、万国博の発展形態であるMICEに関して、日中比較について若者アンケートを通じて把握した。すなわち将来のイベント観光の留意点を分析し、イベントによる集客性の特徴を生かした観光振興の在り方を整理した。MICEの日中比較として日本観光学会学術論文集で発表・公表した。 具体的事例研究では、中札内村と根室市の地域特性を生かした観光振興に関して現地調査をした。前者では、行政と地域企業が協力して街おこしを進めている中札内村と六花亭の芸術村について、後者では、地域の酪農農家と行政の協力でフットパス事業をしている根室市について、デザインサベーをした。 広域ゾーンとしてTALCの発展期が続く沖縄県を取り上げ特に石垣島エリアを対象に聞き取り、デザインサベーを実施した。特に西表島の観光メニューにかかわる、システムの画期的手法を竹富町役場でヒヤリングし、その中心の東部交通の代表者からその実態を聞いた。 平成24年度では、合わせて東日本大災害の影響のあった福島県の観光地大内宿の現状を把握するためにデザインサベーをしたが、震災の影響はほとんど見られず、観光客もそれほど影響がない様子だった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TALCモデル化の作成事例は、前年度の20か所を詳細に考察し、特徴的な観光地に関して重点的に、現地調査をした。以下要点を記載すると、 1)特徴的な都道府県のTALCを導き出す(行政官庁の資料を活用する)の予定に従い4都道府県と4観光都市を整理した。 2)TALC の特徴的なイベントによる観光振興について、阪神淡路大震災と神戸観光について考察した。またコンテンツツーリズムという事象を利用した観光振興について考察し、金沢、富良野の事例をもとに、一過性に終わらない観光振興の在り方を検証した。こうした点を生かし、東日本大震災の復興に役立つ観光振興に付いて考察した。 3)また結果は、日本都市学会全国大会等で順次公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
各市町村の収集したTALCを、汎用性の高く利活用に可能なパターン化したモデルを試みる。さらにパターン化したモデルに対する具体的対応策に事例を示し、実用性を兼ね備えたものを目指す。合わせて不足事例の収集に努める。 また当初考えていた行政担当者へのアンケート調査は、ヒヤリング段階でTALCモデルの啓蒙段階で実用性と有効性に関しての評価に至らないことが認識され、啓蒙段階にふさわしい研究報告へと変更する。また、その費用を解りやすく活用可能なモデルとして提案することを目指す。 最終年度であるので、一区切りとしてグローバル化時代に対応して、ISTTE (International Travel & Tourism Education)に提出し、研究内容の真偽など評価を受けることを計画している。また査読終了後に、邦文にて研究報告書を作成し、関係機関に配布する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①よりわかりやすい表現のため解析ソフトを新たに購入し処理を進める。解析用ソフト JMP10 SAS.(¥81,900) ②結果報告印刷費+配布送料(80,000) ③研究発表(北米):計画した費用では、登録料など不足が予想されるが自己負担で賄う。(140,000)
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