2013 Fiscal Year Research-status Report
訪日外客市場における通訳ガイドサービスの評価尺度開発
Project/Area Number |
23614019
|
Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
高井 典子 文教大学, 国際学部, 准教授 (90540435)
|
Keywords | 訪日観光 / 通訳案内士 / サービス品質 / 尺度開発 |
Research Abstract |
通訳案内誌を巡る関係者間に存在する政治的・経済的な力関係を踏まえたうえで、「よい通訳ガイドサービス」とは何かを明らかにすることの重要性が昨年度までの研究から、わかってきた。そのうえで、今年度は通訳案内誌の第一の顧客である外国人旅行者が、通訳ガイドサービスをどのように評価しているのかを探るための調査を実施した。前年度は、東京国際空港国際線ターミナル出発ロビーでのインタビューを企画したものの、十分な量のデータを得ることができなかったため、別の方法‐これまでインタビューに協力してくれた通訳案内士の方から直接顧客を紹介していただく方法‐によって、データを収集することとした。 通訳案内士は通常旅行会社を介して顧客にコンタクトするため、この方法が取れるのは、通訳案内士がウェブなどで直接営業を行って顧客を得た場合のみである。そのため、接触することのできた外国人旅行者数は多くなかったものの、昨年度に比べると長時間にわたるインタビューを実施でき、質的には豊かなデータを収集することができた。 データの分析から、個人旅行者の場合は通訳案内誌に求める知識の分野が細分化され、その期待レベルも相当高いということがわかってきた。これまでの研究で明らかになっていたとおり、団体旅行者と個人旅行者とでは旅行に求める体験、そして通訳案内誌に求めるサービスの内容が異なっているために、通訳案内士の側でも自らが提供するサービスのスペックをより厳密に把握し、必要であれば「差し替え」をしつつ、顧客ごとに異なるサービスを提供する必要性が推察された。 このことは、通訳案内士のサービス品質という概念を考える場合に、非常に重要な意味を持つ。そのサービス内容だけでなく、サービスをどのようなものとしてとらえるのかという、「メタサービス概念」が重要になってくるのではないかと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
外国人旅行者へのインタビューについて、対象者確保が難航したため、大規模調査へ向けての調査票作成ができなかったことから「遅れている」と評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
通訳案内士を活用したツアーを企画している外部協力業者に委託し、外国人旅行者へのインタビュー機会を確保する。合計10組程度のインタビューを平成26年度前半に終わらせ、調査票の作成に進む予定である。 年度後半においては、調査票を用いた小規模なテスト調査を行い、調査票の修正をしたあと、年度内に量的調査を実施する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24-25年度に使用予定であった外国人旅行者へのインタビューが調査対象者の確保が難航したため調査費用が予定よりも大幅に少なくなったこと、およびインタビュー調査の結果に基づいて作成する調査票を用いて行う量的調査が実施できず、その費用が使用されなかったためである。 平成26年度前半に、外部委託業者の協力を得て外国人旅行者を確保し、インタビュー調査を実施する。旅費、謝金、テープ起こし等の費用を業務委託費用として使用する予定である。 年度後半にも同様に、外部委託業者にサンプルの確保を依頼し、量的調査を実施する。サンプルの確保にともなう業務委託料、および量的データの分析に使用するソフトウェアのアップデート版を購入予定である。
|