2012 Fiscal Year Research-status Report
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23614024
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
三浦 知子 長崎国際大学, 人間社会学部, 講師 (30552690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 学 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00511817)
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Keywords | 都市農村交流 / グリーン・ツーリズム / 社会的企業 |
Research Abstract |
本研究では、生協等の各団体が行ってきた産直取引から進められた交流活動(1)、日本生協連合会による「グリーンライフ事業」(2)について、交流・観光の側面から分析しその特徴を明らかにすることを目的とする。2年目にあたる平成24年度は、平成23年度に得られた成果をもとに、実地調査の結果を中心に、特徴的な事例を分析し、産地交流事業、グリーンライフ事業についての特徴を整理した。また、産直交流の体系だったデータを得ることが困難であることが初年度に判明したため、産直交流を介さない地域についての調査を新たに加え、交流活動面での相違等を比較検討することとした。そのため、研究分担者がこれまで長期間にわたって研究してきた地域について、その推移と関連資料の収集を行った。 これらの地域と平成23年度の調査をふまえ、減反が開始された1970年以前に観光業を兼務することになった地域と、減反をきっかけに産直交流がはじまり、結果として第一次産業を中心に推移した地域とでは、異なる展開となっている点に着目した。今後これらについて、第一次産業との関連などからその特徴を明らかにする。 (2)「グリーンライフ事業」については、日本生協連へのヒアリングを通じて、改めて研究対象地の中心となっている長野県飯山市が、事業当初より重点地域であったことが明らかになった。現在までのグリーンライフ事業の拡大状況について、対象地域、参加人数、参加者の属性等から特徴をまとめ、日本観光研究学会で学会報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グリーンライフ事業が生まれた背景とその推移について、日本生協連側の詳細を明らかにすることができた。また、参加者の受入地域についても、長野県飯山市を中心にグリーン・ツーリズムの発展との関係性について明確化できた。 グリーンライフ事業については、日本生協連における「コープネットグループ」のウエイトが大きく、生活クラブ生協、パルシステムとは異なる展開をしてきたことから、生協の組織面における特徴についても分析した。 産直交流を介さない地域の都市農村交流については、地域側に限定した調査研究により、体系的なデータを収集し、都市農村交流が活性化した背景を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、産直交流を介さない地域についての調査を加え、産直交流を通じた交流を進めている地域との比較研究を行った。そのうち新潟県柏崎市(旧高柳町)の都市農村交流のきっかけのひとつに、西武百貨店での「日本の101村展」への出店があった。このイベントは他地域の特産品開発や地域振興にも大きな影響を与えている。 また、山形県遊佐町と生活クラブ生協との交流は、現在に至っているが、産直取引を始めた当初は、都市側の要望を農村側が柔軟に受入れながら、次第に対等な関係を築いてきたことが明らかになった。 「人の交流」、「モノの交流」という視点から、こうした事例もふまえ、産直取引から発展した交流活動と、グリーン・ツーリズム政策の中から生まれたグリーンライフ事業の特徴をまとめ、特に首都圏から遠隔地にある農山村における、今後の産業と交流活動の関係性とそのあり方を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度後期より所属機関の変更により、調査地へのアプローチが容易でなくなったため、現地調査及び研究分担者、連携研究者との打ち合わせのための旅費に、優先的に研究費を使用する。また定量的なデータ収集のため、産直取引、食を介した地域振興に関するアンケート調査を予定しており、調査票印刷費、調査送付用郵送料及びデータ分析費用として執行予定である。そのほか研究協力謝金、成果報告のための学会論文投稿料、及び成果報告書のための印刷費を執行予定である。
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Research Products
(4 results)