2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23614024
|
Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
三浦 知子 長崎国際大学, 人間社会学部, 講師 (30552690)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 学 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00511817)
|
Keywords | グリーン・ツーリズム / 産直交流 / 都市農村交流 / 山形県遊佐町 / 新潟県高柳町 / 富山県南砺市利賀 / 非営利組織 |
Research Abstract |
本年度は研究最終年度として、産地交流活動のまとめと観光事業への展開についての検討を行った。グリーンライフ事業のモデル的地域として展開してきた長野県飯山市については、産地交流活動からの発展とは異なる展開のため、山形県遊佐町、新潟県柏崎市高柳町を中心に検討した。遊佐町では生協との産直事業をきっかけに、交流会の深化があり、生協自体の発展による出荷量の増加や新品種への取組みといった直接的な農業や地域の経済的効果を生み出した。一方で、交流の深まりによって、女性の活動が活発化されており、建設された道の駅と直売所も、交流の影響を受け設置に至った点が明らかになった。この開設により生産物の販売対象は、限定された組織や地域内から、不特定の観光客へと変化することとなり、通年で多品種の開発が進められることになった。 新潟県柏崎市高柳町は、1985年に東京の百貨店で行われた物産展日本の101村展の第1回目の参加と評価がきっかけとなり、地域振興が推進されている。「101村展」の第1回目の資料を高柳町で収集できたため、その背景と地域側で展開された大分県の「一村一品運動」との関連や、高柳町の地域振興、観光振興について再検討を行った。じょんのび村などの観光施設の建設に至ったきっかけに、食材に対する自信とその活用があり、生協等の産直事業とは異なるものの、交流の深化については共通する点が見られた。 また交流を通して地域の「暮らし」を見直す機会が生まれ、それらがさらに日常の食文化を活かした交流活動へと展開している。 両地域内の関連組織については、JAや行政といった核になる組織が中心にあるものの分科会が複数でき、柔軟に活動を進めている。遊佐町ではJA女性部(旧農協婦人部)内で進められた「自給実践グループ」であり、高柳町ではふるさと開発協議会の5分科会が活発に活動している。これらの成果を学会、招待講演で発表した。
|