2011 Fiscal Year Research-status Report
北陸・飛騨地域の伝統的文化・自然資源の観光的価値に関する研究
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23614027
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Research Institution | Toyama University of International Studies |
Principal Investigator |
高橋 光幸 富山国際大学, 現代社会学部, 教授 (30512264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成澤 義親 富山国際大学, 現代社会学部, 教授 (20326573)
佐藤 悦夫 富山国際大学, 現代社会学部, 准教授 (40235320)
浦山 隆一 富山国際大学, 現代社会学部, 教授 (10460338)
湯 麗敏 富山国際大学, 現代社会学部, 准教授 (00387333)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流 / 観光 / 中国 / 大連市 / 遼寧師範大学 |
Research Abstract |
研究メンバー全員で、7月に情報交換と今後の研究方向についての会議、6月に富山国際大学客員教授・藤井一二氏を招いた研究会(「渤海交流と能登・金沢」)、8月に元富山県大連事務所・長嶋倉清吾氏を招いた研究会(「遼寧省と富山・北陸の観光の現状と今後のあり方について」)、11月に中国大連市の遼寧師範大学で招待講演及び瀋陽市の歴史的文化資源保全の現状調査を実施した。 個人別には、研究代表者の高橋は、9月に北海道富良野市役所ヒアリング、岐阜県郡上市役所ヒアリング、10月に福井県南越前市教育委員会ヒアリング、12月に福井県南越前市の今庄旅籠塾理事長高嶋秀夫氏ヒアリング、2月に香川県直島町現地調査、3月に福井県坂井市・観光事業者ヒアリング、岐阜県高山市役所ヒアリングを実施した。 成澤は、9月に北海道倶知安町「ニセコプロモーションボード」ヒアリング、12月に岐阜県高山市・上三之町町並保存会・大野会長ヒアリング、2月に岐阜県白川村役場ヒアリング、岐阜県高山市役所ヒアリングを実施した。佐藤は、7月に五箇山・白川郷で「結い」の現状に関する聞き取り調査、10月に富山市八尾で「観光ガイドの在り方」に関する調査、11月に五箇山で「カヤ場」保全のためのシンポジュームに参加、1月に五箇山相倉集落で「民宿の現状について」の調査を実施した。 浦山は、9月に香川県にみる環境文化資源の先行事例調査、9月に与論島城集落を事例とした地元NPO法人との歴史的文化・自然資源の観光的価値づけに関する集落基礎データー収集手法に関する調査、9月に香港・中国広東省の歴史的伝統集落における環境文化・人工的自然資源の再評価と観光的意味づけ・価値化に関する調査を実施した。湯は、9月に中国の研究者と富山県及び石川県などの観光地を視察し、10月に中国人留学生と県内観光地を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高橋は、北海道での現地調査及び文献・新聞記事調査により、わが国訪問する中国人観光客の動向と観光ニーズ及び日本側の対応の問題点と課題を把握することができた。さらに、北陸・飛騨地域の自治体・観光事業者・住民団体へのヒアリング及び現地調査並びに文献調査により、当該地域における中国人観光客の実態、地域側の対応の現状と課題、及び観光資源の保全と利用の現状と課題を把握することができた。また、香川県直島の現地調査により、アートと結びつけた地域資源の価値づけの方法と外国人観光客の動向を把握することができた。 成澤は、文献研究によりアジア各国での観光の進展状況と現状を把握するとともに、中国の観光渡航制限緩和の進展状況、及び勤労者の労働環境、特に有給休暇付与の進展経緯について整理することができた。また、中国人観光客の観光動向の実態と課題を知ることができた。 佐藤は、五箇山・白川郷での現地調査及び文献資料により、合掌造り集落を保全するための「結い」の変遷ならびに現状について把握することができた。また、五箇山地域全体を活性化するための問題点と課題を把握することができた。 浦山は、歴史的文化・自然資源の観光的価値に関しては、現状認識、現況分析、類似事例との比較研究が大切であり、その上で意味づけ、価値化、価値評価のプロセスがなされることが必要であることを把握した。また、北陸・飛騨地方以外の事例の現状認識、現況分析、類似比較研究を行った。 湯は、文献・論文調査及び新聞記事調査により、中国の観光政策と訪日中国人観光客の観光動向と観光ニーズについて一定の把握ができた。また、北陸観光資源に対する中国の学者や若い学生の評価を把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
高橋は、富山国際大学の中国人留学生及び富山県内に居住する中国人中高年による北陸・飛騨地域の観光資源評価調査の計画的実施、遼寧師範大学の観光研究者を富山県に招待して当該地域の観光資源評価調査の実施及び日中研究者による研究会の開催、中国人観光客に人気の高い北海道、山梨県等の地方自治体・観光事業者へのヒアリングと現地調査及びアジアの先進観光地現地調査を行い、中国人観光客誘致及び顧客満足度の高い取組みの現状と課題の把握を行う。以上の研究成果を踏まえ、北陸・飛騨地域の地域資源の観光的価値を高め中国人観光客誘致促進のための課題と方策の考察、及び成果の外部公表を行う。 成澤は中国人の外国観光に対する旅行動機・資源認識及びその実態を把握するため、中国在住の中国人及び富山県内に居住する中国人に対してヒアリング調査を実施する。また、中国人観光客の質的変化を評価していく上で重要なSITに関する文献研究とともに、旅行会社にヒアリングを行いSIT旅行商品の実態研究も同時に進める。 佐藤は、観光客と連携して地域の魅力を発見するための新しい試みを把握するため、富山市八尾、南砺市五箇山、南砺市利賀等を調査する。また、生活空間が観光対象となっている世界遺産の問題点を把握するため、平泉、石見銀山、熊野古道などを調査する。以上の研究成果を踏まえ、地域のコア観光資源である世界遺産の保全と活用の在り方の考察を行い、成果の外部公表を行う。 浦山は富山県下の地方自治体が建設した施設の文化的意味を分析し、その造形が地域づくりに与えた影響と価値を考察し、環境文化資源の観光的価値評価研究を行う。また、引き継き香川・秋田・東京において、建築物が景観文化に与えた影響を通して観光的価値創造に関する研究を行う。 湯は文献調査及び現地調査により訪日中国観光客の新しい動向と富山・北陸における外国人観光誘致に関する考察を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
高橋は、(1)富山国際大学に在籍する中国人留学生及び富山県内に居住する中国人中高年による北陸・飛騨地域の観光資源評価調査のための交通費・観光施設への入場料・入館費、(2)中国の遼寧師範大学の観光研究者による北陸・飛騨地域の観光資源評価調査のための交通費・宿泊費・観光施設への入場料・入館料・会議費、(3)中国人観光客に人気の高い北海道、山梨県等の現地調査及びアジアの先進観光地の現地調査のための交通費・宿泊費・日当、(4)研究に必要な文献・物品(トナー、用紙など)の購入費などに研究費を使用する。 成澤は、(1)富山県内在住の留学生を中心とした中国人に対する観光意識・資源認識及び旅行実態に関する調査を行うための交通費・物品費(調査資料費、消耗品費等)・調査協力謝金等、(2)北海道等におけるSIT商品を利用した中国人観光客の実態を調べる現地調査のための交通費・宿泊費・日当、(3)研究に必要な文献・物品の購入費などに研究費を使用する。 佐藤は、(1)富山県内における観光客と地域が連携した新しい魅力づくりの状況を調査するための交通費、(2)日常生活空間と観光空間が共存している平泉等の現地調査のための交通費・宿泊費・日当、(3)研究に必要な文献・物品(用紙、トナー、消耗品等)の購入費などに研究費を使用する。 浦山は、(1)建築物が景観文化に与えた影響等の現地調査のための交通費・宿泊費・日当、(2)研究に必要な文献・物品の購入費などに研究費を使用する。 湯は、(1)富山県内等の現地調査のための交通費・宿泊費・日当、(2)研究に必要な文献・物品の購入費などに研究費を使用する。
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Research Products
(12 results)