2011 Fiscal Year Research-status Report
地域振興における観光利用増加を想定した海浜のキャリングキャパシティーの定量化
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23614032
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
柿木 哲哉 神戸市立工業高等専門学校, 都市工学科, 准教授 (50353298)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 間隙水 / 底質移動 / 分級 / 画像解析 |
Research Abstract |
平成23年度は研究計画に従い,(a)室内実験による底質と間隙水移動の物理過程(鉛直断面2次元)および(b)室内実験と現地観測による底質分級過程のリアルタイム計測(水平方向,鉛直方向)について検討を進めた.まず,(a)について、従来法では計測困難な波打ち帯における岸沖漂砂量を,引き波通過後の底面露出時の砂移動についても考慮した計測手法の開発を行った.これを行う上で,(i)レーザーの透過しない底面下の可視化,および,(ii)非常に狭小な空間を流れる間隙水の運動の可視化および画像解析がポイントである.(i)および(ii)の解決法としては,実験水槽の側壁越しに現象を観察し,側壁の極近傍を解析するか,実験に用いる砂として,レーザーが透過するような砂を用いるか,ということが考えられるため,これらの点について検討を加えた.さらに,研究計画には含めていなかったが,2台のCCDカメラを同期させ,水槽の側方と鉛直上方から撮影し,遡上域における砂移動を準3次元的にとらえることに成功した.しかしながら,この実験中にレーザー光の反射光がCCDカメラに直接入射し,CCD素子を破壊してしまうアクシデントに見舞われ,遡上域の砂移動の準3次元的な挙動を詳しく調べるまでには至らなかった.また,間隙水の挙動は,空隙を有する不飽和状態の間隙水圧も計測できる間隙水圧計を用いて水圧を計測したところ,遡上域の砂層内の間隙水圧を測定することができ,その圧力変動は遡上波に応答していることがわかった.次に,(b)について,容量式波高計とデジタルビデオカメラを用い,波の周期程度の時間間隔で底面高と底質表面粒度を計測する手法を開発した.その結果,本手法により,遡上域の底面表面の砂の粒度を波の周期の時間スケールで計測できることが分かった.今後はさらにこの手法を現地用に改良中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は研究計画に従い,(a)室内実験による底質と間隙水移動の物理過程(鉛直断面2次元)および(b)室内実験と現地観測による底質分級過程のリアルタイム計測(水平方向,鉛直方向)について検討を進めた.まず,(a)について、当初の研究計画に新たに遡上域における砂移動の準3次元的計測を付加し,より多面的に砂浜の砂移動をとらえることを試みた.そこで一定の成果を見込むことができたものの,主要な装置が故障してしまい,計画の実行は一時中断を余儀なくされたが,現在では装置の修理も完了し,引き続き検討を進めており,24年度中に挽回の予定である.そのため,予算の執行を一部,平成24年度に繰り越した.その他の項目については概ね計画通りに遂行されている.
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Strategy for Future Research Activity |
【研究実績の概要】ならびに【現在までの達成度】の項目でも触れているが,実験装置の故障により,助成金の執行を一部,平成24年度に繰り越した.また,研究計画の実施段階で新たに考案した方法を追加しているので,平成24年度については当初の研究計画にこれらを追加した形で計画を実行する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度から繰り越した助成金は平成24年度に執行の予定であり,概ね当初の研究計画通りに執行する予定である.
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