2013 Fiscal Year Annual Research Report
光重合性ポリマーを用いる環境および医療分析用高機能マイクロチップ作製技術の開発
Project/Area Number |
23615008
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
鈴木 茂生 近畿大学, 薬学部, 教授 (00154542)
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Keywords | マイクロチップ電気泳動 / 光重合ゲル / 機能性高分子 / 自動分析 |
Research Abstract |
マイクロチップ電気泳動を環境や臨床分野におけるオンサイト検査に適用すれば、今まで不可能であった複雑な成分の分離分析などの検査を秒単位で実現できる。しかも、装置のミクロ化によって野外のような電源の届かない場所でも、PCのUSB端子からの電源を利用して駆動させることができる。マイクロチップは大量生産が可能であるが、試料に応じた前処理や濃縮過程をチップ上で実現するには、それぞれの目的に合った専用の流路をデザインしなければならず普及を妨げている。本研究では機能性ゲルのin situ合成技術をマイクロチップ電気泳動に適用し抽出や精製、さらには標識化のオンライン化を行った。 イオン濃縮:硫酸基を官能基に用いたperm-selective濃縮法を既に開発していたが、試料や泳動液に含まれる強酸性成分が試料の濃縮効率に影響を与える。そこで、弱酸性のゲルのin situ合成を試みてその特性を調査したところ、強酸性物質は保持せず、弱酸性成分をゲル直近に捉える特性があることを見いだし、弱酸の濃縮と分離に応用した。 糖鎖選択的捕捉と分析への応用:セロトニンは低い塩濃度では糖鎖の非還元末端に多く含まれるシアル酸に結合する。セロトニンを固定化したシリカゲルを調製し、シアル酸含有糖鎖の選択的な抽出が可能であることを示した。また、キャピラリーアフィニティー電気泳動にレクチンや糖鎖加水分解酵素を部分的に導入するpartial filling affinity electrophoresis法を開発した。十字型マイクロチップの交差部にレクチンを物理的に包含したゲルを作成し、糖鎖の構造特異的な濃縮と分離に応用した。 誘導体化試料のオンライン精製分析:分析に伴う標識化で多量に残存する試薬類を特異的に除去分析する技術の開発を行った。 本年度の成果は論文3編としてまとめた。最終年度のため今までの成果を総説2編として公表した。
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Research Products
(15 results)