2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23615012
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
和泉 博 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (20356455)
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Keywords | 生体高分子 / 立体配座 / 超二次構造 / タンパク質 / 構造アライメント / 構造活性相関 / 赤外円二色性分光法 / 免疫 |
Research Abstract |
1.PDB構造データを活用した構造相同性データマイニング手法の研究 目標であった1000個を超える7494サブユニットの立体配座コード構造データのデータベース化を行った。本手法を、βカテニンのアルマジロリピートに適用したところ、hhshshhという非常に特徴的な構造フラグメントをもつことが見いだされ、アルマジロリピート構造を特定する構造因子として利用できることがわかった。また、免疫性因子に共通する超二次構造フラグメント(shhshss)は、肺胞蛋白症 GM-CSF 自己抗体やバセドウ病 TSH受容体抗体にも存在していなかった。 2.VCD分光法を用いた生体高分子測定解析手法の研究 アミド結合をもつタキソールと骨格部の差スペクトルと、側鎖部にあたるメチルエステルの予測スペクトルとの比較を行い、IRスペクトルにおいてまずまずのスペクトルの一致を示した。これは、水素結合に関与する置換基の減少により、考慮すべき立体配座構造を的確に絞り込めていることを示していた。VCDスペクトルについては、IRバンドの予測波数のずれを考慮すると若干の類似性は認められたが、立体配座構造の帰属をつけることは出来なかった。このことから、フリーの状態で存在する側鎖部の密度汎関数法計算による予測された立体配座構造とは異なり、タキソールtailの立体配座構造はバッカチンIII骨格の存在による立体的制約を受けていることを強く反映していると示唆された。 以上のことから、差スペクトルの活用は差分としての有機基の立体配座構造とフリーな状態での立体配座構造がほぼ一致しないとうまく活用できないことが判明した。しかしながら、本研究で活用した立体配座探索技術が、医薬品認可に必要となる絶対配置決定技術に活用できそうなことがわかったため、同時進行で産学官連携を進めた。その結果、知財実施契約に結び付き、その契約に基づき技術移転活動を行った。
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Research Products
(8 results)