2011 Fiscal Year Research-status Report
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23615013
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
丹羽 一樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (30443211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 太一郎 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60423901)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 分光放射測定 / LED / 積分球 / 全放射束 / 微弱光特性評価 / レポータージーンアッセイ / 毒性試験 / 光放射測定 |
Research Abstract |
本年度は2π放射LED微弱光源測定のための積分球式分光測定系の整備を中心に研究を行った。測定対象である極微弱LED光源は連携研究者である中谷氏を中心に開発が進められている。この光源はプレートリーダタイプの発光反応測定装置の感度校正が目的であり、これに最適なプレート表面発光タイプとなっている。通常の光源は測定に際し積分球内に設置するが、本光源は積分球壁面の窓(ポート)から覗く位置に設置するしかなく、正しい値を測定できない恐れがある。そこで本光源の形状を模した発光位置可変光源を作製し、光源設置位置による測定結果に対する影響を評価した。これにより、本光源のみならず大型の液晶パネルのような2π配光光源を積分球で測定する際の正確な補正係数が可能となった。光測定デバイスの感度校正は光放射量の国家標準にトレーサブルな体系を構築する計画であるが、現状で使用可能な標準は500Wという高強度な分光放射照度標準電球のみである。微弱なLED光源の測定を行うためには、検出器の感度直線性評価が重要となる。そこで、感度特性の異なる複数の検出器を用いて相互評価を目的とし、2つのマルチチャンネルCCD検出器、フォトダイオード、光電子増倍管で同時に測定するシステムを構築した。また、発光測定装置の感度校正に極微弱LED光源を使用するための実証試験として、研究分担者である加藤氏を中心に、ホタル発光反応の量子収率測定を実施した。以前に研究代表者が開発した発光反応測定装置全体感度測定法に基づいて校正した測定装置と、極微弱LED光源を用いて校正した測定装置の双方で発光反応量子収率を測定し、結果を比較することで、極微弱LEDによる校正の有用性を示すデータを取得することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
震災およびその後の電力需要不足の影響で、研究設備の復旧作業と実験室移転作業が発生し、研究実施が大幅に制限された。また極微弱LED光源の完成が計画より遅れているため、実際の測定実験開始には至らず最低限の計画実施に留まったが、最重要事項である極微弱LED光源の分光全放射束測定のための基盤はほぼ整っており、全体目標の達成に向けて計画を微修正しつつ研究を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は標準電球を用いた積分球式分光測定装置の分光感度校正と検出器感度の直線性評価を中心に測定系の整備を行い、極微弱LED光源の測定を開始する。極微弱LED光源の完成が遅れいていた関係で、評価用光源等の物品購入が未実施となり次年度使用額が発生したが、24年度において計画通りに執行する予定である。特に重要な研究要素として直線性評価があるが、これは複数の異なる検出器間の出力値間の比較を行うことで、精密な評価と補正係数の算出までを完了させる。また、発光分光測定装置(スペクトロメータ)の波長感度校正にLED光源を応用し、発光反応溶液を用いた実証試験を行う。更に積分球内面応答度分布の不均一性に起因する測定不確かさ評価を行うために、理論計算によるシミュレーション計算を開始するとともに、実験的評価も試みる。最終年度には、2年間の成果を基に極微弱LED光源の分光全放射束を実際に測定し、性能評価のための基盤技術開発に繋げ、国際学会等での成果発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品購入に関しては、LEDなどの光源および光電子増倍管などの光検出器など、光学部品、測定に必要なケーブルおよびコネクタなどの電子部品、そして発光反応物質などの試薬類など、研究消耗品を主たる支出項目として予定している。また、研究発表を予定している国際生物発光化学発光学会(6月、カナダ、ゲルフ市)参加のための旅費など、そして共同実験のための国内旅費(つくば⇔浜松、つくば⇔姫路)などを予定している。研究分担者の加藤氏の分担金は30万円であり、発光反応絶対計測実験のための消耗品、あるいはつくばでの実験のための旅費等を予定している。
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Research Products
(6 results)