2013 Fiscal Year Annual Research Report
新たなリスク管理体系のための多層カーボンナノチューブ曝露評価へのアプローチ
Project/Area Number |
23615014
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
小野 真理子 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 環境計測管理研究グループ, 上席研究員 (60333374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 也寸志 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 環境計測管理研究グループ, 上席研究員 (20321896)
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Keywords | MWCNT / ナノチューブ / 労働環境 / ナノ材料 / リスク管理 |
Research Abstract |
多層カーボンナノチューブ(MWCNT)は工業用のナノ材料であり、有機化合物に導電性を付与できること、また材料の強度を上げることができることなどから、種々の分野で期待されており、使用量の増大が見込まれる。一般的に、微小粒子の健康影響は、より大きな粒子に比べて高い可能性があると言われているため、ナノ材料については予防原則に基づいてリスク管理を行うことが求められている。MWCNTのように主成分が炭素からなるナノサイズの粒子は、空気中にある排気ガス由来の炭素を含有する微小粒子との分離定量が難しい。MWCNTの定量法を確立して曝露評価を行うためには、MWCNTの炭素分析、構造解析、更には健康影響に寄与する可能性のある金属不純物の分析結果等を総合的に評価する必要がある。 本研究では過去に行ったMWCNT捕集時のデータや、模擬的なMWCNTエアロゾルを捕集したデータをもとに、実際に捕集される粒子についての情報を整理した結果、粗大粒子に含まれるグラファイト性炭素をMWCNTの代表値とし、微小粒子に含まれるグラファイト性炭素を排気ガス等に由来する炭素の代表値とすることにより、炭素系微小粒子を含む都市大気が流入するような環境においてもMWCNTが測定可能であることを明らかにした。 最終年度にはこの手法を用いて現場における応用性を確認する作業を行った.現在は多種のMWCNTが使用されているため、これまでの知見と異なる状況も見えて来たが、公的な分析法とするために、例外的な要素等を把握した。国際会議における意見交換を行った。炭素分析に影響する構造を知るために新規に開発されている表面を改質したMWCNTについてもX線回折や熱分析を行った。
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Research Products
(8 results)