2012 Fiscal Year Research-status Report
コラーゲン由来ペプチド・アミノ酸の栄養生理機能の解析
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23617002
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
蕪山 由己人 宇都宮大学, 農学部, 教授 (20285042)
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Keywords | コラーゲン / 皮膚再生 / 抗酸化 / 機能性食品 / コレステロール代謝 |
Research Abstract |
本年度は,計画書記載の3つの研究課題について年次進行に従い研究を推進した。一つ目の課題である,「コラーゲンペプチドの皮膚再生関連細胞に対する生理効果の検証」ではin vivoに加え,培養細胞に研究対象を広げ解析を進行した。その結果,コラーゲン加水分解物,あるいはその消化吸収産物に,皮膚角化細胞と皮膚色素細胞に特異的に再生の鍵酵素であるMMP9の発現を誘導する活性を見いだした。In vivoの結果を支持するものであり,活性化物質の同定の為の実験系が構築できた。二つ目の課題である,[Hypによる血中コレステロール低下メカニズムに関しては,各種リポプロテインの分離定量法を確立し,Hyp投与が血中のLDLを特異的に抑制する事,そしてコレステロール排出の鍵となる胆汁酸分泌の促進する事を見いだし,生理効果のメカニズム解明に向けて知見を得た。三つ目の課題である,「強い抗酸化性を持つコラーゲンペプチドの細胞への影響,安全性の検討」については,前年度までに見出したOGPペプチドの細胞への効果を検証した。その結果,酸化ストレス下の細胞アポトーシスを抑制し,細胞の生存率を上昇させること,また過酸化水素に特異的に作用するタイプの抗酸化剤として機能できることを示した。以上,3つの課題に対して計画通り進行し,コラーゲン由来ペプチドの生理効果を評価するに適したバイオアッセイ系の構築,抗酸化性の高いペプチドの探索に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コラーゲンの皮膚再生に与える影響に関しては、培養細胞系を用いた評価系が確立した。この評価系により、コラーゲンペプチドの消化吸収産物中にMMP9発現促進活性の本体が存在することが見いだされた。以上より合成ペプチドや潅流液を用いて活性化合物の同定が可能となった。抗酸化ペプチドに関しては、開発した抗酸化ペプチドが細胞のストレス軽減に有効であることが判明し、実用化に向けて有益な情報を得た。脂質代謝への影響に関してはリポプロテイン分離法を確立し、水酸化プロリンのLDL抑制作用を見いだしたとともに、胆汁酸合成が標的になる事を明らかにし,メカニズムの一端を明らかにした。いずれの研究課題も当初より進行は早く、おおむね順調にすすんでいるものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに研究が遂行されたため、春から夏にかけて結果の論文投稿を行い秋までの論文発表を行う。また、活性化合物の同定を中心に行い、次期の研究のための新しい情報を得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物による評価が必要であるので、その購入費用を必要とする。また、培養細胞系の実験が中心となるので、培地・培養器具等の購入を必要とする。
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