2013 Fiscal Year Annual Research Report
食資源由来機能性多糖によるインフルエンザウイルス感染制御基盤の解明
Project/Area Number |
23617006
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
李 貞範 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 助教 (40332655)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 京子 中部大学, 付置研究所, 研究員 (60110623)
|
Keywords | 機能性多糖 / 抗ウイルス活性 |
Research Abstract |
本研究は食資源由来機能性多糖のインフルエンザウイルス感染制御に関する分子機構の解明を目的として実施した。フコイダンが自然免疫系の成立に重要なマクロファージを活性化し、その活性化機構としてToll-like受容体4やスカベンジャー受容体A がフコイダンの認識に重要であることを明らかにした。フコイダンの刺激により、p38 MAPKやJNK、HSP90などのシグナル伝達系因子が活性化され、I kappa Bのリン酸化およびNF-kappa Bの活性化を引き起こし、種々のサイトカイン産生を誘導することも明らかにした。動物モデルにおいて、蛍光標識化フコイダンを経口投与した結果、腸管に存在するパイエル板で取り込まれていることが観察された。また、糞便中の蛍光標識化フコイダンをGPCで分析したところ、著しい低分子化は受けていないことが明らかとなった。さらに、本フコイダンを免疫抑制モデルマウスを用いてその抗ウイルス活性を検討した結果、ウイルス増殖量を低下させると同時にウイルスに対する中和抗体価を有意に上昇させることを明らかにした。また、アカモク由来フコイダンは単純ヘルペスウイルス(HSV)のgDとHVEMの結合を阻害することを見出した。 新規機能性多糖の探索もあわせて実施したところ、ネギから抗インフルエンザウイルス活性を示すフルクタンと抗HSV-2活性を示すペクチン類、コシアブラより2種の抗ウイルス活性多糖を単離し、それらの構造を明らかにした。特にネギフルクタンは動物感染モデルで経口投与によりインフルエンザウイルスの増殖を抑えると同時に中和抗体産生を促進することが分かった。 以上の結果より、食用資源由来機能性多糖はインフルエンザに有効であることが分かった。
|