2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23617010
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平野 賢一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30332737)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 裕康 奈良女子大学, その他部局等, 教授 (40183743)
竹中 優 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (20222101)
|
Keywords | 栄養 / 中鎖脂肪酸 / 中性脂肪蓄積心筋血管症 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
Adipose triglyceride lipase (ATGL) 欠損症由来皮膚線維芽細胞を用いた細胞生物学的研究を行った。種々の中鎖脂肪酸 (medium chain fatty acids, MCFA) の培養上清への添加を行い、細胞内中性脂肪 (TG)含量への影響を検討した。デカン酸 (C10:0)、8-メチルナノン酸、カプリル酸(C8:0)、ラウリン酸 (C7:0)の中で、C10:0に最も強い細胞内TG減少活性を見出した。ATGL欠損にも関わらず、細胞内TG減少を来す分子機構を明らかにするため、Diacylglycerol (DG)の分解に関与するhormone-sensitive lipase (HSL)に着目して、以下の実験を行った。HSLの刺激剤及び抑制剤を添加したところ、C10:0による細胞内TG減少活性が、それぞれ増加、減少した。このことから、C10:0に効果の少なくとも一部には、HSLが関与していると考えられる。また、前年度明らかにした症例由来細胞におけるperoxisome proliferated activated receptor-g (PPAR-g)の増加に着目、C10:0添加によって、PPAR-g活性の低下が生じることを明らかにした。このPPAR-g活性の抑制効果も細胞内TG減少に関与している可能性がある。一方、ATGL欠損(KO)マウスにおいて、MCFA含有飼料が、寿命の有意な延長を来すメカニズムを明らかにするため、マウス心機能をCT scan にて解析した。MCFA含有飼料飼育ATGLKOマウスでは、心拍出量が、通常食飼育ATGLKOマウスに比べて、有意に高く、寿命延長の一因と考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定している細胞生物学的実験及び動物実験が終了した。種々の中鎖脂肪酸中、カプリン酸(C10:0)が最も細胞内中性脂肪含量低下活性が高いことを見出した。また、中鎖脂肪酸含有飼料で飼育したモデルマウスでは、心機能が改善していることも明らかにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
中鎖脂肪酸中でも特に有効な成分を特定しえたので、それに応じて栄養療法のプロトコルを改変して、研究代表者所属機関で経過観察中の中性脂肪蓄積心筋血管症症例に対する食事療法の効果を検討していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めて行く上で、必要に応じて、研究費を執行したため、当初の見込み額と執行額は多少異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含めて当初の予定通り計画を進めて行く。
|
Research Products
(6 results)