2013 Fiscal Year Annual Research Report
栄養代謝調節因子Foxo1が制御する膵ベータ細胞機能と寿命、糖代謝の統合的研究
Project/Area Number |
23617011
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
倭 英司 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 教授 (20273667)
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Keywords | Foxo1 / 膵ベータ細胞 / インスリン分泌 / アポトーシス |
Research Abstract |
Foxo1は細胞の栄養代謝状態を制御し、糖代謝のみならずストレス応答、寿命にも関与している。一方、代謝制御には液性因子としてインスリンが重要な役割を果たしている。そこで本研究では、栄養状態などの外的要因がFoxo1制御下のインスリン分泌機構を介し、どのように糖代謝やストレス応答、寿命に関与するかを解明する目的で、膵ベータ細胞特異的Foxo1ノックアウトマウスと当該マウスから得た膵ベータ細胞株を用いて分子レベルでの解析を行なう。本研究は栄養状態を分子レベルでとらえる統合的な代謝栄養学の進展に寄与するものと考えられる。また、Foxo1下流経路の解明は新たな糖尿病薬の創薬にも多大に貢献し、社会への還元が期待できる。 平成24年度は転写因子foxo1の制御因子を検討する目的でDNAarrayを行った。当初、foxo1-flox-MIN6細胞を用いてadeno-creを導入したものと、コントロールとしてadeno-egfpを導入してものの間で検討を行ったが、発現量の差が十分でなかったため、Creにてfoxo1ノックアウトを行ったMIN6細胞に対して、Adeno-constitutive active-foxo1を導入したものと、adeno-egfpを導入したのの間で検討を行った。その結果、β細胞の傷害を引き起こすNr4a1遺伝子がfoxo1で抑制されることがわかった。このことから、foxo1は膵β細胞に対して、Nr4a1がコードするNur77を介して細胞保護を行っている可能性が考えられた。
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