2012 Fiscal Year Research-status Report
新規たんぱく質代謝研究法の確立とその活用に関する基礎研究
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23617016
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
木戸 康博 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50195319)
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Keywords | タンパク質 / 代謝要求量 / 指標アミノ酸酸化法 |
Research Abstract |
課題4: ライフステージ別のたんぱく質要求量の推定法の確立する。 課題6: ヒトたんぱく質要求量の推定法を確立する。 指標アミノ酸酸化(IAAO)法により、成人を対象としてたんぱく質要求量を算出した。2007年にHumayunらが報告した方法(Am J Clin Nutr, 86: 995-1002)に従って行ったが、Humayunらがたんぱく質源としてアミノ酸混合を用いたのに対して、本研究では卵白たんぱく質を使用した。たんぱく質要求量を算出した結果、成人男性(22-24歳、n=6)では推定平均必要量(EAR)0.89 g/kg BW/day、推奨量(RDA)1.11 g/kg BW/dayであった。また、高齢者の男女(75-79歳、n=8)では、EAR 1.12 g/kg BW/day、RDA 1.75 g/kg BW/dayと算出された。成人男性で算出された値は、予想していた通りに現行の窒素出納法で算出されている値より高く、またHumayunらの値に近かった。高齢者では、結果は予想していた通り、成人より高かった。高齢者では、今後さらに年齢層が異なる被験者を対象として検討する予定である。成人女性(21-22歳、n=6)では、月経周期を考慮して検討した結果、基礎体温が低温を示す卵胞期で、EAR 0.96 g/kgBW/day、RDA 1.53 g/kg BW/dayであった。黄体期でのたんぱく質要求量は算出できなかったため、現在も検討を継続して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題4: ライフステージ別のたんぱく質要求量の推定法を確立する。 課題6: ヒトたんぱく質要求量の推定法を確立する。 実験計画ではラットを用いて行う予定であったが、ヒトたんぱく質要求量の推定法が確立されたため、ヒトで高齢者のたんぱく質要求量を算出することとした。成人男子(22-24歳)と高齢者(75-79歳)で、おおむね予想した通りの値が算出され、ヒトにおけるたんぱく質要求量の推定法、ライフステージ別のたんぱく質代謝要求量の推定法は確立されたと判断した。 課題6が予定よりも早く確立されつつあるが、課題5: 各種病態時のたんぱく質要求量の推定法を確立する に着手できていないため、今後は課題5を進めるよう努める。
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Strategy for Future Research Activity |
課題4: ライフステージ別のたんぱく質要求量の推定法を確立する。 課題6: ヒトたんぱく質要求量の推定法を確立する。 成人女性でのたんぱく質要求量の算出を継続する。高齢者では、まだ検討していない年齢層の被験者について、たんぱく質要求量の算出を行う。 課題5: 各種病態時のたんぱく質要求量の推定法を確立する に着手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
13C-Phe、12C-Phe、12C-Tyr、13C-NaHCO3、食材など物品費として約800,000円、研究者の旅費として600,000円、研究助手および被験者への謝金として2,000,000円、その他、報告書、論文投稿費などとして201,823円を使用する予定である。
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