2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規たんぱく質代謝研究法の確立とその活用に関する基礎研究
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23617016
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
木戸 康博 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50195319)
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Keywords | たんぱく質 / 代謝要求量 / 指標アミノ酸酸化法 |
Research Abstract |
[課題4] ライフステージ別のたんぱく質要求量の推定法を確立する。(平成23・24・25年度) 健康な日本人成人男性及び高齢者を被験者に鶏卵たんぱく質をたんぱく質源とした際のIAAO法を行った。その結果、たんぱく質要求量は、成人男性(23±0.6歳、n=6)で0.89 g/kg体重/日、高齢者(70歳以上75歳未満、n=10)で1.20 g/kg体重/日、高齢者(75歳以上80歳未満、n=10)で1.28 g/kg体重/日であった。70歳代の二つの区分でたんぱく質代謝要求量に顕著な違いは認められなかった。高齢者では成人男性と比較して、より多くのたんぱく質を摂取する必要があると考えられた。 [課題5] 各種病態時のたんぱく質要求量の推定法を確立する。(平成24・25年度) SD系雄性ラット(4週齢)に2.6%カゼイン食を3週間自由摂取させ、たんぱく質欠乏状態とし、無たんぱく質摂取時の呼気中13CO2排泄量を測定した結果、たんぱく質質欠乏状態では正常状態と比較して呼気中13CO2排泄量が有意に高値であった。このことは、習慣的なたんぱく質摂取量の低下により、たんぱく質代謝プールが小さくなり、たんぱく質合成量も低下し、呼気中13CO2量が増加したと考えられた。無たんぱく質食でIAAO法を行うことによってたんぱく質代謝プールを推定できると推察した。 課題6] ヒトたんぱく質要求量の推定法を確立する。(平成24・25年度) 鶏卵たんぱく質をたんぱく質源とした際のIAAO法を用いて、健康な日本人成人女性(21.3±0.2歳,n=10)のたんぱく質代謝要求量を低温期(卵胞期)と高温期(黄体期)に分けて調べた結果、低温期は0.80 g/kg BW/day、高温期は0.60 g/kg BW/dayと算出された。成人女性の場合、性周期に伴いたんぱく質代謝要求量も大きく変化していることが推察された。
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