2011 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子多型に基づくテーラーメイド栄養指導による健康づくり支援効果の検討
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23617026
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
福島 真実 女子栄養大学, 栄養学部, 助教 (30286885)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | テーラーメイド栄養指導 / 葉酸 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
葉酸代謝関連酵素であるメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)の遺伝子多型MTHFR C677Tの影響には高ホモシステイン血症やそれに伴う心血管疾患,認知症等が知られている。すでに報告したように、「さかど葉酸プロジェクト」における健康づくり、特に認知症予防を目的としたMTHFR遺伝子多型に基づく個別化(テーラーメイド)栄養指導では,遺伝子告知効果による葉酸栄養指標の改善(短期的;半年)が顕著であった。しかし遺伝子告知の生活習慣変容のモチベーションに対する影響はまだ明確にされていない。そこで、栄養指標改善効果の継続性を検討するために、女子栄養大学と坂戸市と協同で行っている「さかど葉酸プロジェクト」参加者で2006年~2010年にテーラーメイド栄養指導を受けた約800名を対象にフォローアップ講習会を2011年6月に実施した。講習会参加者206名に採血および食事調査をおこない,血清葉酸濃度,血清総ホモシステイン(tHcy)濃度測定,葉酸摂取量を算出し,栄養指導前後の変動とMTHFR C677T多型との関連を検討した。 葉酸摂取量および血清葉酸濃度はいずれの遺伝子型においても栄養指導前と比べて有意に高値を示した。tHcy濃度はCC型, CT型で上昇傾向がみられたが, TT型では上昇抑制傾向がみられた。栄養指導回数が1回のみではCC,CT型でtHcy濃度が有意に上昇していたが,複数回(2-4回)受けた場合はどの型でも有意差はみられなかった。TT型に対する遺伝子告知効果は他の遺伝子型よりも継続性があり,更に繰り返し指導も有用であることが示された。 また、これまでの講座参加者800名を対象に、講習会を受けたことによる健康づくりに対する意識、行動の変容、遺伝子多型の告知に対する意識調査を実施した。今後これらの解析を進める必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画では「さかど葉酸プロジェクト:食と認知症予防講習会受講生」約200名を対象としてフォローアップ講習会を行なう予定だったが、対象者を拡大し、当初24年度に計画していた「寺子屋事業」参加者もあわせてフォローアップ講習会を開催した。その結果200余名が参加し、血液検査、食事調査を実施し前回受講時からの変動を検討することができた。これまでの講座で実施してきた葉酸摂取に関するアンケートとともに、うつ症状自己診断テストを実施した。また、フォローアップ講習会に参加しなかった対象者にも郵送により食習慣や遺伝子告知に関するアンケートを実施し、約500名の回答を得られた。これらの詳細な解析は進行中である。 一方、計画していた動脈硬化度測定、認知度テストは実施されなかった。前者は、測定環境の問題、後者は対象者からの同意を得ることが困難であったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
「さかど葉酸プロジェクト」参加者へのフォローアップ講座を23年度と同様の内容で実施する。対象者はまだ呼びかけをしていない集団(50代男性が中心、約100名)ならびに昨年度日程等の都合により参加できなかった方を予定している。これまでの研究結果から50代男性は他の年代に比べて血液中の葉酸値は低く、ホモシステイン値は高い傾向がみられている。フォローアップで実施する内容は血液検査、食事調査、栄養指導、葉酸摂取に関するアンケート、遺伝子告知に関するアンケートを実施し、遺伝子告知と栄養指導介入の効果を検討する。またうつの指標であるうつ症状自己診断テストも実施し、あわせて解析を行なう。 23年度フォローアップ講座で収集したアンケート結果や葉酸摂取量調査と栄養改善状態の関連を検討し、遺伝子告知の介入に対する影響を多角的に調べていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フォローアップ講座での血液検査は過去のデータと比較のため従来通り30項目を基本とするため1検体あたりの検査費用は5000円程度必要である。また赤血球葉酸測定のための測定キットや試薬、プラスチックチューブ、チップなどの消耗品費がかかる。採血業務、食事調査ならびに栄養指導業務に対する謝礼、アンケート送付代や検体輸送代、栄養計算ソフトライセンス更新費用として使用する。検体保存用超低温フリーザーは検体数によっては今年度もしくは来年度に購入予定である。
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Research Products
(5 results)