2012 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子多型に基づくテーラーメイド栄養指導による健康づくり支援効果の検討
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23617026
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
福島 真実 女子栄養大学, 栄養学部, 助教 (30286885)
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Keywords | テーラーメイド栄養指導 / 葉酸 / 遺伝子多型 / ホモシステイン |
Research Abstract |
葉酸代謝関連酵素であるメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)の遺伝子多型 MTHFR C677Tは、動脈硬化のリスク遺伝子であり、高ホモシステイン血症やそれに伴う心血管疾患や認知症などの発症リスクを高めることがしられている。すでに申請者らは、「さかど葉酸プロジェクト」における健康づくりと認知症予防を目的とした、この遺伝子多型に基づく個別化(テーラーメイド)栄養指導を実施し、半年間(短期)における葉酸栄養状態指標の改善において、遺伝子告知効果が高く有効であることを報告している。この遺伝子告知が生活習慣変容のモチベーションであることは明らかであるが、長期的な改善効果については明らかにされていない。そこで、2006年から始まったさかど葉酸プロジェクトの過去の参加者に対して採血、食事調査を実施し、血清葉酸濃度、血清総ホモシステイン濃度、葉酸摂取量や野菜摂取量を求め、栄養指導の介入前後での変動と多型の関連を検討した。今年度は昨年度に引き続き、フォローアップ調査を実施するとともに結果解析を進めた。 血液中の指標である血清葉酸値および総ホモシステイン値は遺伝子多型に関わらず、栄養指導後有意に上昇した。血清葉酸値は半年後も上昇した値を維持していたが、総ホモシステインは介入前に比べると、有意差が認められなかった。介入回数が1回のみの場合は、ホモシステインの上昇しやすいTT型ではなく、CC、CT型で有意な上昇が認められた。また、血清ホモシステインの変動要因には介入前(栄養指導前)のホモシステイン濃度と血清葉酸値の変動および性別が関連していることか示唆された。葉酸摂取量は半年間での上昇だけでなく、その後も介入前に比べて摂取量が多いことが認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
テーラーメイド栄養指導を受けた「さかど葉酸プロジェクト」講習会受講生を対象としたフォローアップ講習会は、昨年度の参加者200余名に加え、今年度は50代男性を中心とした集団で実施し、血液検査、食事調査およびうつ状況自己診断テストを含めて種々のアンケート結果が得られた。ここまでで一通りのフォローアップデータを蓄積することができた。これらの膨大なデータを遺伝子多型と血液検査データ、食事調査からの葉酸摂取量、行動変容につながる因子の解析など、多面的に解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的にそって、まず栄養指標改善効果の検証を行う。葉酸やホモシステイン値と葉酸や葉酸代謝に関連している栄養素摂取量の変化と相関を検討する。血液中葉酸値においては、短期間の指標である血清葉酸値のみならず、長期間の指標となる赤血球中葉酸値の測定値を用いるとともに、葉酸分子種の分別定量の検討も行う。次に遺伝子告知による心理的変化の検証として、アンケート調査での評価と栄養状態指標の変動との関連を検討する。さらにテーラーメイド栄養指導の有効性について、遺伝子多型別に介入前後の変動の差や継続性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
膨大なデータ処理を迅速にするために、統計処理ソフトの更新および新規導入を計画している。赤血球葉酸測定のための試薬やプラスチックチューブ、チップ、カラムなどの消耗品費と検体の凍結融解を避けるためにも検体保存用超低温フリーザーの購入を予定している。またひきつづき栄養指導業務や専門知識のアドバイスを依頼する講師等への謝金、論文の投稿のための投稿費用、英文校正費や製本代も必要である。
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Research Products
(3 results)