2011 Fiscal Year Research-status Report
栄養と食による肥満細胞活性化制御の解析:「抗炎症食」をめざして
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23617028
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
増子 佳世 相模女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80288208)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 肥満細胞 / 栄養 / ヒスタミン |
Research Abstract |
肥満細胞の活性化および脱顆粒による炎症性因子の放出はアレルギー疾患のみならず炎症性疾患の病因病態にも深く関わることが示されているが、その活性化機構に栄養因子がいかに関わるかの詳細はこれまで明らかでない。栄養因子、特に食物由来栄養素が肥満細胞活性化にどのような役割を果たすかについて、PPARを介したシグナル伝達との関連を通して解析することを目的として、今回マウス由来肥満細胞株P815の実験系を構築した。まず、抗炎症作用を有する栄養因子としていわゆる機能アミノ酸が挙げられていることから、その代表例であるグルタミンの添加条件を変化させてP815のヒスタミン産生量を検討した。P815からのヒスタミン産生誘導刺激として、既知因子であるIL-6添加を用い、ヒスタミン産生を細胞上清を用いたELISAにて定量したところ、予備実験の条件では添加グルタミン濃度とヒスタミン濃度との間には有意な相関は認められなかった。現在さらに条件を変更して検討中である。さらに、PPARアイソフォーム活性化によるヒスタミン産生への影響について、合成アゴニストを用いた刺激培養により現在検討中である。また、食品(今回はパイナップル)に含まれるタンパク分解酵素であり、最近その抗アレルギー作用が注目されているbromelainについて、P815の活性化に影響を及ぼすかについて検討した。この結果、bromelain存在下ではむしろIL-6によるヒスタミン誘導が促進される可能性が示され、bromelainの抗アレルギー効果はヒスタミン抑制以外の機構による可能性が示唆された。さらに条件を変更して検討し、食品と肥満細胞活性化との関連について解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初、購入した肥満細胞株の状態が不良で、培養条件等を変更して安定するまでに時間がかかった。また、研究者自身が他業務のため細胞培養実験に取り組む時間を得難い状況であることに加えて、実験に定期的に従事できる人員(助手、実験補助員、大学院生等)がなく、実験計画はあっても実験を予定通りに施行することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は実験環境整備にかなりの時間を要したものの、細胞培養系および必要な機器はおおむね確立できたため、今後は実験技術を有する人員を確保してコンスタントに実験を行い、結果を出せる状況としたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度は実験を遂行することが難しく、予定していた進渉が得られなかった。この為、試薬や消耗品の使用が少なく、購入することが少なかった為、繰越しとなった。H24年度は主に実験試薬の購入及び実験補助員(非常勤)の人件費として用いる。具体的には、前年度用いたHistamine EIA kit(60,000円/96 well kit), recombinant murine,IL-6 (11,000/vial)等を引き続き追加購入して、結果の確認(再現性の検討)を行ってまとめていくとともに、新たな刺激条件として脂肪酸、epigallocatechin等の栄養系試薬を購入して実験を進めていきたい。また、人件費として週2回のべ2名以上の技術員またはアルバイトを確保する(時給1000円として1000x4x2=8000円、交通費を合わせ1週間約10000円/週、1年間52週として520000円)。
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[Journal Article] Arthritogenicity of annexin VII revealed by phosphoproteomics of rheumatoid synoviocytes2011
Author(s)
Matsuo K, Arito M, Noyori K, Nakamura H, Kurokawa MS, Masuko K, Okamoto K, Nagai K, Suematsu N, Yudoh K, Beppu M, Saito T, Kato T.
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Journal Title
Ann Rheum Dis
Volume: 70
Pages: 1489-95
Peer Reviewed
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