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2012 Fiscal Year Research-status Report

食事成分の腸管吸収におけるリンパ系輸送の役割の解明

Research Project

Project/Area Number 23617032
Research InstitutionKinki University

Principal Investigator

室田 佳恵子  近畿大学, 理工学部, 講師 (40294681)

Keywordsリンパ輸送 / ケルセチン配糖体 / プロビタミンA / Caco-2 / カイロミクロン
Research Abstract

ケルセチン含有タマネギ摂食後のヒト血漿ケルセチン代謝物について分析を行ったところ、タマネギ調理時に食用油を添加することにより、ケルセチン代謝物の血漿濃度が有意に上昇したもののわずかであった。リンパカニュレーションラットにケルセチン配糖体の投与を行ったところ、ケルセチンアグリコンで示された油脂による吸収促進と異なり、吸収が抑制されるという結果が得られた。このことから、油脂によるヒトでの弱い吸収促進はケルセチン配糖体の吸収を高めるのではなく、タマネギ組織からのケルセチン配糖体の遊離と分散促進に関与している可能性がある。
カロテノイドのリンパ吸収実験において、プロビタミンAカロテノイドの吸収を比較したところ、βクリプトキサンチンが最も吸収されやすかった。βカロテンのリンパ液への出現は非常に少なく、また代謝後のレチニルエステルについてもリンパ液中濃度が低かったことから、βカロテン投与後ラット門脈血を直接採取し分析を行ったところ、同量のレチノールを投与した場合に比べてレチニルエステル濃度ははるかに低かった。すなわち、本実験の条件においては、βカロテンの吸収はβクリプトキサンチンに比べてかなり低いことが示唆された。さらに、αカロテンはほとんど吸収されないことも示唆された。
リンパ輸送に欠かせないカイロミクロン合成を細胞レベルで解析するためのヒト小腸由来Caco-2細胞CD36遺伝子導入モデルについて、その性質を解析した。RI標識脂肪酸を用いた細胞への取り込み実験を行ったところ、CD36導入による初期取り込み濃度上昇は見られなかったが24 hインキュベートにおいては細胞取り込みが増加することが示唆された。CD36の細胞内局在を調べたところ、細胞膜への移行が不十分で小胞体にCD36が留まっていることが示唆されたため、遺伝子導入株の再構築を検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

フラボノイドにおいては、実際の食品に含有している構造である配糖体についてのリンパ吸収実験を開始することができ、さらにリンパ輸送に大きく影響する共存油脂の効果がアグリコンの場合と異なることが示唆された。また、カロテノイドにおいても腸管における吸収代謝を比較しており、リンパ吸収促進条件を引き続き検討することができる段階に進んでいる。さらに、細胞モデルの構築においては、実験系が確立された。細胞株については再構築が必要であるが、問題点が明らかになったので、最終年度にはさらなる進展が望める。

Strategy for Future Research Activity

リンパカニュレーションラット実験:ケルセチンの吸収実験においては、配糖体のリンパ輸送についてさらに明らかにしていくとともに、リンパ液に輸送される代謝物と血中代謝物の構造比較を行い、リンパへ輸送される条件を明らかにしていく。また、最終年度は柑橘に含まれる代表的なフラボノイドであり、メチル化構造を有するヘスペレチンとその配糖体であるヘスペリジンについても吸収評価を行う。カロテノイドについては、引き続き吸収性と構造の関連を明らかにしていく。
Caco-2細胞実験:CD36の細胞膜局在を確認し、脂肪酸ならびにモノグリセリドの細胞取り込み、カイロミクロン合成と分泌に及ぼす影響を評価する。細胞が確立できれば、フラボノイドやカロテノイドを細胞に投与し、吸収促進がみられるかを検討する予定である。
ヒト摂食試験:保存している血漿について、代謝物構造の解析を行うとともに、より感度の高い分析法での再分析を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

物品費(50万円):動物投与用食品成分の購入と細胞培養に関わる消耗品の購入に充てる。
国内旅費(5万円):成果発表を行う。
その他(5万円):研究成果投稿のための英文校閲料あるいは投稿料として使用予定である。
なお、平成24年度の受入利息は次年度分に繰り越して使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ラットにおけるプロビタミンAカロテノイドの腸管吸収代謝動態2012

    • Author(s)
      藤田琴子、室田佳恵子
    • Organizer
      第17回日本フードファクター学会学術集会
    • Place of Presentation
      静岡県男女共同参画センターあざれあ(静岡県)
    • Year and Date
      20121110-20121111

URL: 

Published: 2014-07-24  

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