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2012 Fiscal Year Research-status Report

代謝を介して寿命を支配する遺伝子の網羅的探索

Research Project

Project/Area Number 23617033
Research InstitutionKobe Gakuin University

Principal Investigator

尼子 克巳  神戸学院大学, 栄養学部, 助教 (90275280)

Keywords寿命 / アスコルビン酸 / 酵母 / 酸化ストレス / 代謝
Research Abstract

本研究課題では、ヒトの食生活が健康寿命の長さに与える影響を、実験科学の見地から推定することを目的として、真核生物の最も単純なモデル生物として出芽酵母を用い、液体培養法をベースにして野生型株に比べて寿命が長く、或いは短くなった突然変異体を網羅的にスクリーニングすること、寿命の長短と細胞内代謝物の分布から、健康寿命に繋がる代謝状態を推測するとともに、種々の機能性食品成分が与える、寿命や細胞内代謝の変化への影響を明らかにしようとしている。
昨年度、既知の寿命支配遺伝子の破壊株を用いて、考案した寿命測定系がおおよその再現性を示すことを確認したが、遺伝子破壊株コレクションに含まれる約5000株が示す増殖速度に大きなばらつきがあり、全体をそのまま混合して包括的な測定を行うのは困難であった。このため、増殖速度の似た株同士を組み合わせて、1つの培養液に同時に混合培養できる破壊株の数の上限を見積もることから再検討が必要になった。
当初より研究計画の見直しが必要になった場合には、既知の食品成分が寿命に与える影響を検討するとしていたため、アスコルビン酸、および酵母が内在性の成分としてアスコルビン酸アナログが酵母の生育、寿命に与える影響を調べたところ、細胞質型スーパーオキシドディスムターゼ遺伝子の破壊株において、アスコルビン酸が種々の酸化ストレス耐性、生育速度および経時的寿命の低下を相補することを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究計画で予定していた人員構成のうち研究協力者としての学部学生が十分に確保できず、研究の進捗の遅れを取り戻すことができなかった。また、網羅的スクリーニングにおいて同時に処理できる株の数を慎重にコントロールする必要があることが判明したため、十分な研究成果を論文等の形で残すことができなかった。

Strategy for Future Research Activity

網羅的スクリーニングについては、条件設定を吟味した上でのパイロット実験(同時検討株数百まで)を行い、手法自体の可能性を示す形で最低限の成果を確保したい。また、アスコルビン酸だけでなく、グルタチオンやポリフェノール類の添加によって酵母の寿命が影響を受けるか、さらにカフェインやラパマイシンといった酵母での既知の寿命支配遺伝子に作用することが想定されている化合物が、遺伝子発現や代謝物に与える影響を検討する。コントロール株との寿命に対してポジティブな作用が確認されたものから順次、特定遺伝子の発現をリアルタイムPCRで測定し、次いで質量分析による代謝物解析を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

96穴プレートでの培養から代謝物やRNAの抽出を効率化するために、プレートでの培養に特化したインキュベーター(30万円程度)を購入する。他の物品費は消耗品費に充てる予定である。年度後半に開催される国内の関連学会に参加し、積極的に成果発表する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 出芽酵母のsod1欠損による酸化ストレス・増殖・寿命への影響とそのアスコルビン酸による回復2012

    • Author(s)
      尼子克己、河野菜美、小野坂敏見、山西浩
    • Organizer
      日本栄養・食糧学会近畿支部大会
    • Place of Presentation
      甲子園大学
    • Year and Date
      20121012-20121012

URL: 

Published: 2014-07-24  

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