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2012 Fiscal Year Research-status Report

哺乳動物におけるコエンザイムQの抗老化作用

Research Project

Project/Area Number 23617042
Research Institution地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)

Principal Investigator

高橋 眞由美  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50133632)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 清水 孝彦  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (40301791)
KeywordsコエンザイムQ / 寿命 / ミトコンドリア / 老化機構 / 代謝 / 酸素消費 / マウス
Research Abstract

① 酸素消費量:adult(10-12ヶ月齢)および老齢(20-24ヶ月齢)マウスの酸素消費量を解析した結果、♀の12及び20ヶ月齢のTgマウスの酸素消費量が野生型マウスに比べ有意に低下していた。② 酸化傷害:DNAに対する酸化ストレス障害の指標である尿中の8-OHdGを測定した結果、雌雄共に野生型とTgマウスとで有意差は認められなかった。③ インシュリン様増殖因子(IGF-1)の関与:昨年度の解析ではTgマウスは野生型マウスに比べ低体重である事が明らかとなった。そこでIGF-1の血中レベルを3ヶ月齢および6ヶ月齢で比較した結果、Tgマウスと野生型マウスとで有意差はなかった。④寿命:現在解析途中であるが、野生型に比べTgマウスは雌雄共に長寿の傾向が認められている。
⑤ 骨格筋:Tgマウスは野生型に比べ低体重であるにも拘らず、血中のIGF-1レベルに差は認められなかった。そこで代謝に関係する臓器重量を測定した結果、肝臓では差が認められなかったが、精巣周囲の脂肪組織および骨格筋で、野生型に比べTgマウスは雌雄共に、臓器重量が少ないことがわかった。さらに大腿筋からミトコンドリアを単離し、ミトコンドリア複合体IおよびIIにおける酸素消費量を測定した結果、雌のTgマウスで野生型に比べ有意に低下していることがわかった。
⑥ 加齢に伴うミトコンドリア機能とCoQ: 3ヶ月齢および12ヶ月齢の野生型マウスの主要臓器の単離ミトコンドリアを解析した結果、加齢に伴い♂の脳で有意に複合体IおよびIIの酸素消費量が低下していた。そこで単離ミトコンドリアに外来性CoQを添加した結果酸素消費量が有意に増加した。また12ヶ月齢の野生型マウスに水溶性CoQ10を1週間飲水投与した結果、脳のミトコンドリアの酸素消費量が3ヶ月齢マウスと同レベルにまで回復することが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1. 12ヶ月齢および20ヶ月齢の♀Tgマウスでは野生型に比べ、個体の酸素消費量が有意に低下することを明らかにした。
2. CoQ量の違いにより寿命に差が出るかを検討しているが、2年目でCoQ量が少ないと、寿命が延長する傾向が認められた。
3. ミトコンドリア機能についても、代謝組織である骨格筋のミトコンドリアの酸素消費量がTgマウスでは野生型に比べ、有意に低下している傾向があることを明らかにした。膜電位、ATP量の測定は来年度の検討課題とする。
4. 12ヶ月齢に達した野生型マウスにCoQを飲水投与し、脳のミトコンドリア機能が改善されることを明らかにした。

Strategy for Future Research Activity

本年5月に研究所施設が移築するのに伴い、現存のTgマウスは全て処分することが決定された。そこで、今年度は以下の項目について解析を行うこととする。
1.  寿命:現存するマウスは新施設で飼育できなくなった為、寿命解析用の全てのマウスが死亡するまで、飼育を外部の業者に委託することにする。最終的に死亡マウスの週齢および個体数から生存曲線を求め、統計処理(STATMATE)を行い、CoQ量の違いによる寿命への影響を評価する。
2. 昨年度までに低体重のTgマウスでは骨格筋重量ならびにミトコンドリアの酸素消費量が減少している事が判明した。この原因を探るため、ミトコンドリアが豊富なヒラメ筋に焦点を絞り、筋繊維数および密度等の測定を組織標本の画像解析により行う。
3. 昨年度、老齢の♂野生型マウスの脳ミトコンドリア機能が、CoQの飲水投与により回復することを示した。新施設移行後も老齢野生型マウスは本研究所動物室より供給が可能であるため、これを用いCoQを飲水投与した老齢マウス脳ミトコンドリアの複合体I、II、IIIの酵素活性に対するCoQの影響を解析する。
4.  以上の結果を取りまとめ、成果の発表を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

寿命解析及び生化学実験用に使用するマウスの飼育代、業務委託費
マウスの遺伝子型を決定するためのPCR試薬、ミトコンドリア機能解析用キット、その他実験試薬を購入する予定である。
そのほか、論文投稿用費用、人件費を使用する計画である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Reversal of slow growth and heartbeat through restoration of mitochondrial functions in clk-1-deficient mouse embryos by exogenous administration of coenzyme Q10.2012

    • Author(s)
      1. Takahashi, M., Shimizu, T., Shirasawa, T.
    • Journal Title

      Exp. Gerontol.

      Volume: 47 Pages: 425-431

    • DOI

      10.1016/j.exger.2012.03.008

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] コエンザイムQの新たな機能:生体リズムと寿命の調節.2012

    • Author(s)
      2. 高橋真由美、小河原緑、清水孝彦、白澤卓二.
    • Organizer
      第35回日本分子生物学会大会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場
    • Year and Date
      20121211-20121214
  • [Presentation] コエンザイムQ10はclk-1変異線虫の寿命延長と行動リズム遅延及びclk-1欠損マウスの生体リズム遅延を完全レスキューする.2012

    • Author(s)
      1. 高橋真由美、小河原緑、清水孝彦、白澤卓二.
    • Organizer
      第35回日本基礎老化学会大会
    • Place of Presentation
      東邦大学
    • Year and Date
      20120726-20120727
  • [Book] 時間薬理学による最新の治療戦略2013

    • Author(s)
      高橋真由美
    • Total Pages
      344
    • Publisher
      医薬ジャーナル

URL: 

Published: 2014-07-24  

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