2012 Fiscal Year Research-status Report
iPS細胞の腫瘍形成の原因である「不均一性の排除」に関する研究
Project/Area Number |
23618003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 岳哉 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10312696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 輝行 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90133941)
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Keywords | 細胞・組織 / トランスレーショナルリサーチ / 再生医学 / 発生・分化 / 薬剤反応性 |
Research Abstract |
昨年度、作製した活性亢進型TMPK遺伝子(TMPK FR mutant)を未分化細胞内でのみ活性をもつプロモーター(CR4)をもつレンチウィルスベクター(CS2-CR4-TMPK FR)に組み込み、本研究の目的に沿うベクターシステムを構築した。この遺伝子導入用ベクター、ウィルスパッケージング用プラスミド、およびエンベローププラスミドの3種類のプラスミドを293T細胞にトランスフェクションを行い、トランスフェクション48時間後に、細胞培養上清を回収した。この培養上清中に含まれる組換えウィルスを超遠心により1000倍に濃縮した。このようにして調製した組換えウィルスを以後の実験に供した。ウィルスを未分化マーカーであるNanogが発現している細胞(H9c2)に感染させた。対照としてNanogが発現していない293T細胞に感染させた。遺伝子導入した細胞における導入遺伝子の発現の確認を行うために、感染3日後に、細胞を回収して、細胞溶解液を調製し、それをWestern blotに使用した。その結果、遺伝子導入したH9c2においては、TMPK遺伝子の発現が強く見られたが、対照の非遺伝子導入細胞では、その発現が見られず、またNanog陰性である293Tでは、導入したTMPK遺伝子の微弱であった。このことから、今年度構築した発現システムは本研究で目的とする未分化な細胞において強く発現することを確認できた。今後、この発現システムを使用して、iPS細胞における遺伝子発現の特異性を確認していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本遺伝子発現系の構築に手間取り、予定していた研究計画に比して遅れが生じてしまった。しかし、本年度の検討で本来目的とする未分化細胞において遺伝子発現を可能とする遺伝子発現系の構築の確認を行うことができたので、次年度以降は、本体の研究計画に従い、研究を遂行できると考えている
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究の結果、必要とする遺伝子発現系の構築が完了したので、策定した研究計画に従い、研究を遂行する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当無し
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