2013 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞の腫瘍形成の原因である「不均一性の排除」に関する研究
Project/Area Number |
23618003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 岳哉 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10312696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 輝行 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90133941)
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Keywords | 細胞・組織 / トランスレーショナルリサーチ / 再生医学 / 発生・分化 / 薬剤反応性 |
Research Abstract |
CR4プロモーターにより未分化細胞内でのみ発現する活性亢進型TMPK遺伝子を、レンチウィルスベクターを用いてiPS細胞に遺伝子導入を行った。この細胞を未分化状態を維持する培養系でexpandを行った後、hanging drop cultureを行い、胚葉体(Embryonic body)を形成させた。この胚葉体を分化培地を用いて培養を行うと、本実験に使用している細胞においては、未分化細胞のマーカーとしてのNangプロモーターで発現制御されるeGFP遺伝子の発現が減弱する、あるいは完全に消失することが確認された。つまり、この条件で細胞培養を行うとiPS細胞は分化することが確認された。さらに、分化培地中にCsAを共存させると心筋様細胞に分化し、顕微鏡下での観察において、規則的に拍動する様子が観察された。これらの細胞(未分化および分化した細胞)から全細胞タンパク質抽出液を作製し、TMPK遺伝子の発現をWestern blotにて確認した。この結果、未分化培養条件において、TMPK遺伝子導入細胞では、TMPK遺伝子の発現が認められ、非遺伝子導入細胞では、内在性のものの発現が低レベルで認められた。一方、分化培養条件下では、TMPK遺伝子導入細胞では、TMPK遺伝子の発現が、未分化培養条件と比べて、顕著に低下した。非遺伝子導入細胞では、内在性TMPKの発現が低レベルで認められた。これらのことは、CRプロモーター下でのTMPKの遺伝子発現制御が行われていることを示している。さらにこれらの細胞に培養液中にAZTを添加後に誘導される細胞死については、現在解析を行っているところである。
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