2013 Fiscal Year Annual Research Report
低分子化合物による幹細胞遊走の制御と再生医学への応用
Project/Area Number |
23618007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 明人 大阪大学, 産学連携本部, 特任教授 (50298882)
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Keywords | 再生医学 / シグナル伝達 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
先の研究で間葉系幹細胞の細胞遊走を亢進させる物質探索のために、天然物ライブラリーからスクリーニングを行い、間葉系幹細胞の遊走を活性化する低分子化合物を同定している。 本研究では、同定した化合物の刺激による細胞遊走の特性とシグナル伝達を解析することでメカニズムを解明し、さらに、動物組織内での化合物刺激による幹細胞の遊走活性と組織再生の効果を調べることで再生医学へ応用するための基礎確立を目的とした。 平成23年度と平成24年度には、化合物刺激による細胞遊走活性の機能特性解析と、化合物刺激による細胞遊走活性のメカニズム解析のうち細胞内機能分子の活性化確認、そして動物実験のためのモデル作製の準備を行った。 平成25年度では、前年度までの化合物による細胞遊走活性の解析を基にして、PL-17とPL-C1について動物モデルを使って化合物の幹細胞遊走活性と創傷治癒の効果を調べた。幹細胞誘引作用について、第一段階の解析として、先ず化合物を尾静注した動物において、その血中に骨髄などから間葉系幹細胞の細胞が動員されてくるかFACS解析を使って検証したところ、間葉系幹細胞分画の細胞数が増加していた。 次の段階として、血流から化合物によって幹細胞誘引がされるのかを検証するために、ルシフェラーゼ発現間葉系幹細胞を尾静注した皮膚創傷モデルにて、化合物の投与での幹細胞の誘引作用を調べたところ、化合物塗布した創傷部で幹細胞の集積増強が認められた。 さらに化合物の組織再生への影響を調べるため、全層欠損層からの創傷治癒モデルにて化合物を塗布し、創面積の縮小、及び組織再生を組織染色法で評価したところ、有意に治癒効果が認められた。 以上の結果より、PL-17とPL-C1について、動物体内で幹細胞誘引に作用すること、そして組織再生を増強する可能性が示唆された。 さらに今後、これらの化合物を使ってさまざまな組織再生モデルを試していく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Mallotus philippinensis bark extracts promote preferential migration of mesenchymal stem cells and improve wound healing in mice.2014
Author(s)
Furumoto T, Ozawa N, Inami Y, Toyoshima M, Fujita K, Zaiki K, Sahara S, Akita M, Kitamura K, Nakaoji K, Hamada K, Tamai K, Kaneda Y, Maeda A.
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Journal Title
Phytomedicine.
Volume: 21
Pages: 247-253
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Mallotus philippinensis derived components enhance the mobilization of mesenchymal stem cells for skin regeneration.
Author(s)
Furumoto T, Fujita K, Toyoshima M, Zaiki K, Sahara S, Akita M, Ozawa N, Nakaoji K, Hamada K, Tamai K, Kaneda Y, Maeda A.
Organizer
第36回 日本分子生物学会年会
Place of Presentation
神戸国際展示場(神戸市)
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