2012 Fiscal Year Research-status Report
組織工学的膵島再生 -膵島単離移植後の遺残膵外分泌細胞を用いた膵島誘導法-
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23618012
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
小玉 正太 福岡大学, 医学部, 准教授 (90549338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西中村 瞳 福岡大学, グローバルFUプログラム, ポスト・ドクター (90597692)
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Keywords | 再生医学 / 移植・再生医療 / トランスレーショナルリサーチ / 糖尿病 / 膵島細胞 / 膵島移植 / 血管再生 / 生体材料 |
Research Abstract |
インスリン産生細胞が GFP で標識された、MIP-GFP Tg マウスから膵島を単離し、膵島細胞と外分泌細胞を比重遠心で選別後、膵島細胞は single cell 化した。single cell 化した細胞は、効率よく機能的膵島として再編させることを目的とした(Aim#1)。昨年度最終的な再編膵島細胞収量は、以前報告を行った膵島細胞再編率30%に対し68%と改善するも、残念ながら初期値膵島の100%を超える事はなかった。しかし、驚くべき事に単位膵島DNA当たりのインスリン含有量(タンパク量)は約2倍量存在していた。そのため糖尿病マウスに、通常血糖正常化する膵島数の半数で、再編された膵島を移植し、改善効果を観察したところ正常血糖化する下限膵島数量200個より少ない100個で正常化する事が、本年度 in vivo の実験により明らかとなった。(Aim#1-A)。さらに Serpine1 の効果以外に、新たに膵島細胞再編用の開発した生体内吸収性マテリアルで再編効果を調べたが、残念ながら現在初期値を超える結果を導けなかった(Aim#1-B), (Kodama S., et.al, Materials, 2012, 5(3); 501-11)。本年度は、更に正常血糖化する下限膵島数量の閾値を下げるべく、以前報告した膵島再生を促す、脾臓に由来した遺伝子調節機構 (Kodama S., et al, Science 2003, 302: 1223-7.) に注目し移植部位を腎被膜下から脾内移植へ変更したところ、1/4 の移植膵島個数で生着し、糖尿病マウスの血糖が正常化する事が判明した。その為、現在これらグラフト生着現象の機能解析を急いでいる。少ない移植膵島量で血糖正常化させる移植部位の発見は、臨床膵島移植においても意義が大きいため、Aim#1-C としてこの成果を追加する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インスリン産生細胞が Green Fluorescent Protein(GFP) で標識された、MIP-GFP Transgenic(Tg) マウスから膵島を単離し、膵島細胞と外分泌細胞を比重遠心で選別後、膵島細胞は single cell 化した。 single cell 化した細胞を用い効率的に機能膵島に再編する実験(Aim#1)は順調に進達し、予定とした実験は終了した。ただし、更に正常血糖化する下限膵島数量の閾値を下げるべく、以前報告した膵島再生を促す脾臓に由来する遺伝子調節機構に注目し移植部位を腎被膜下から脾内移植へ変更したところ、1/4 の移植膵島個数で生着し、糖尿病マウスの血糖が正常化する事が判明した。少ない移植膵島量で血糖正常化させる移植部位の発見は、臨床膵島移植においても新たな移植部位として確立する可能性が高く意義が大きく、今後 Aim#1-C としてこの成果を追加する。 一方、膵外分泌細胞から膵島細胞への誘導(Aim#2)に関しては、GFP 陽性のBeta細胞以外の外分泌細胞は Cell Sorter で GFP 陰性細胞として回収後、Pdx1 と Ngn3 の転写因子(2009年度科研、ID 09153690) を順次導入した。しかしながら、GFP 陰性細胞は蛋白発現を待たないGFP 陰性 Beta 細胞を、GFP-MIP tg マウスが潜在的に含んでいる事が判明した。その為、Amylase や Elastase 産生細胞の labeling マウスから positive sorting し in vivo や in vitro で insulin 産生細胞を誘導する必要がある。これらに対応すべく、現在海外で外分泌腺のlabelingマウスを所有する研究者に分与を依頼している。
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Strategy for Future Research Activity |
(Aim#1) 現在Aim#1-C として、正常血糖化する下限膵島数量の閾値を下げるべく、以前報告した膵島再生を促す脾臓に由来する遺伝子調節機構に注目し、移植部位を腎被膜下から脾内移植へ変更した。驚いた事に脾内移植では腎被膜下の1/4 の移植膵島個数で生着し、糖尿病マウスの血糖が正常化する事が判明した。少ない移植膵島量で血糖を正常化させる移植部位の発見は、臨床膵島移植においても新たな移植部位として確立する可能性が高く意義が大きく、Aim#1-C としてこの成果を追加する。現在これらグラフト生着現象の機能解析を進めている。 (Aim#2) 膵外分泌細胞から膵島細胞への誘導(Aim#2)に関しては、GFP 陽性のBeta細胞以外の外分泌細胞は Cell Sorter で GFP 陰性細胞として回収後、Pdx1 と Ngn3 の転写因子(2009年度科研、ID 09153690) を順次導入し in vivo および in vitro で GFP 陽性細胞の出現をモニタリングしていた。しかし、GFP 陰性細胞を用いた negative sorting で得られた細胞では、Beta 細胞でない証拠とならない為に、Amylase や Elastase 産生細胞の labeling マウスから positive sorting し in vivo や in vitro で insulin 産生細胞を誘導する必要が生じた。これらに対応すべく、現在海外で外分泌腺のlabelingマウスを所有する研究者に分与を依頼している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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