2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 一之 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70188291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 武 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30336812)
只木 孝太郎 中央大学, 研究開発機構, 機構准教授 (70407881)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 数学基礎論 / 情報基礎 / 量子コンピュータ |
Research Abstract |
本研究は、無限次元の状態空間をもつ量子系に基づいた、従来の量子計算機とは異なる仕組みの量子力学的計算モデルを提案し、その計算能力や計算効率について、旧来の計算モデルと比較しながら計算理論的に考察することを主題としている。とくに初年度においては、様々な量子計算モデルに関する先行研究について国内外の先端研究者と情報交換し、新しい量子計算モデルの実装化に向けて障害となる問題点を洗い出しながら、次年度の研究計画について検討した。 代表者の田中と分担者の山崎武は、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の高橋康博博士らとの打合せによって、測定ベースの量子計算モデルに関する最近の研究状況を調査するとともに、新たなモデル構築に対して有効な方策について意見を交換し、今後の研究計画について検討した。また、田中は、西安理工大学の劉晨光教授と留学生の彭寧寧と協力して、量子木の計算量に対してYaoの原理を拡張する際の問題点について考察した。分担者の只木は、ニュージーランドのオークランド大学のC. S. Caludeやウィーン工科大学のSvozilらと打合せして、量子測定の結果として生成される無限二進列の持つ性質について研究した。以上により、新しい量子力学的計算モデルの開発に向けての研究を推進するための下地が整備された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、従来の量子計算機とは異なる仕組みの量子力学的計算モデルを提案することを目的とする。とくに初年度である本年度においては、国内外の先端研究者と先行研究について情報交換をし、新しいモデルの構築に向けての方策を検討することを主要な目標とし、それらはほぼ予定通りに実行された。今後新しい量子力学的計算モデルの実現に向けて、一層具体的な検討を進め,次年度中に一定の成果をまとめる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究準備に基づき、新しい量子力学的計算モデルの考案とその理論的課題を検討する。とくに、分担者の只木が新しい量子計算モデルについての計算理論的考察を行う。分担者の山崎は、量子計算量クラスの算術体系もしくは算術モデルによる特徴付けを与える。田中は研究の総括を行うとともに、さらに別の計算モデルの可能性を考え、次の研究発展につなげる。 計算モデルの新しい提案・量子計算量の研究・算術的特徴付けを研究の三本柱とし、研究方法としてもこれらを有機的につなげることで、仮にどれからの研究に対して予測と違った結果が得られたり行き詰まったりした場合でも、他のアプローチの支援によって研究の継続をしやすくする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究 の遂行に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)