2011 Fiscal Year Research-status Report
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23650009
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松井 泰子 東海大学, 理学部, 准教授 (10264582)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 列挙算法 / 離散構造 / 統計 |
Research Abstract |
私は,与えられた離散構造から,制約を満たす対象を高速に列挙する列挙算法の構築を研究している.本研究では,対象とする離散構造を,統計分野を主とする諸問題に関連したものに限定する.列挙算法は研究され始めた当初は,抽象度の高い理論的問題に対して算法構築が試みられる事が多かったが,近年,コンピュータの進歩により大量データの扱いが可能となったため,膨大データに対する応用分野の問題への適用が増えつつある.私の知る限り,統計分野では列挙算法の需要はあるが,アルゴリズムの研究者の参入は少ない. 以上の理由から,私は, 統計分野に起因する問題への列挙算法の提案を目指している.私は過去,統計のグラフィカモデル(特にコーダルグラフ)上で定義される「完全列」を高速列挙する算法を提案した.完全列を列挙すると,統計データの検定に役立つ事が知られていたが,列挙算法は未提案であった. 本研究では,以下のような実施計画を考えた.まず初めに,統計分野で列挙算法の適用の可能性がある問題をリストアップする.そして,対象とする問題の解の持つ組合せ構造を解明し,各問題に対し,順次,列挙解法の提案を試みる. 私は当該年度では,対象をグラフの木に絞って列挙算法構築を試みた.木はグラフイカルモデルにおいては,Junction tree等,頻繁に扱われる構造であるが,木に限定した列挙算法の提案はまだ十分になされていない.そこで私は,木に対する「コスト付き頂点彩色問題」の最適解の列挙算法の構築に成功した.提案した列挙算法は論文にまとめ,投稿する準備を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究が遅れ気味である一番の理由は,列挙問題のリストアップに時間を要した事が挙げられる.実用に起因する列挙問題は,解が複雑な離散構造を有し,既存のアルゴリズムを複数組合せて問題を解くという戦略が通用しない.そのため,問題の解構造の持つ特有な性質に注目する必要がある. しかし,扱う対象をグラフの木に限定したため,列挙算法が適用できる問題群が明確となり,以後,遅れを挽回出来ると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
私は,列挙算法を適用する離散構造の対象をグラフの木に限定した結果,「コスト付き頂点彩色問題」の最適解の列挙算法の構築に成功した.さらに,私は次の算法の提案を考えている.(1)「コスト付き頂点彩色問題」へのランキング算法,(2)「コスト付き辺彩色問題」の最適解の列挙算法,(3)「コスト付き辺彩色問題」へのランキング算法,(4)「リスト付き彩色問題」の実行可能解の列挙算法である. 上記の算法の構築が実現したら,問題の解から共通する離散構造を抽出し,代数的な性質を解明したい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
統計分野の研究者に対し,研究成果等を通して研究の方向性に対する客観的な意見を求め,研究の方向性の修正を随時行う.さらに研究進捗状況に関し,外部との意見交換,及び研究成果の交換のために,2 週に1 回程度検討会を開く.平成24 年度の研究計画(a):平成23 年度に得られた研究成果を各種研究集会で発表し,成果発表を通じて外部の研究者と意見交換等を行い,研究の方向性を確認する.また,海外での研究成果の発表も行い,最新の研究情報の知見を得る(b):平成24 年度の研究中に得られた研究成果を,論文にまとめ(研究成果投稿料を利用して) 専門ジャーナルに投稿し,研究成果および研究の方向性に関する,客観的な意見を,外部より求めて,その都度研究の方向性を修正する.
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Research Products
(4 results)