2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650009
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松井 泰子 東海大学, 理学部, 准教授 (10264582)
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Keywords | 列挙 / コスト付き頂点彩色 / 木幅 / 組合せ最適化問題 |
Research Abstract |
統計分野において,「グラフ構造」は統計データの要因間の複雑な関連の可視化に用いられる離散構造の一つで,統計データの検定などに利用される.統計データの検定は医療統計データ,ビッグデータ分析にも適用され,その需要は急激に増加している.統計データの検定の際には,グラフ構造上での組合せ最適化問題を解く必要がある場合が多く,組合せ最適化問題の求解の際,最適解や実行可能解が列挙できれば,より精度の高い検定が可能だが実現は容易でない.そのため,統計データに付随する組合せ最適化問題に対する高速列挙アルゴリズム構築は,データ検定ではニーズの高い課題の一つである. 本研究の初期段階では,対象とするグラフ構造を木に限定し列挙解法構築を試みた.統計データで扱う木構造はジャンクション木をはじめ多数存在するため,木を対象とすることは意義がある.提案した解法は「コスト付き頂点彩色問題」の最適解を,単純なデータ構造のみで高速列挙するものである.さらに,列挙解法構築の際に与えられた色数を必ず用いる木の形状の特徴付けという理論的な成果も得ることが出来た. 本研究の最終段階では,先に構築した列挙解法を拡張し,対象を1-木としても,コスト付き頂点彩色問題の最適解列挙が可能であることを示した.この結果により,対象とするグラフ構造を木幅で分類し,木幅に応じて列挙解法が適用できるか否かを判別するという,新たなアプローチでの研究の方向付けが展開できた. 本研究で得られた結果は未発表のものを含んでおり,現在,論文にまとめ投稿準備をしている.今後は,提案した列挙解法のビッグデータ分析への適用の可能性などを検討したい.
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