2012 Fiscal Year Research-status Report
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23650013
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
八杉 昌宏 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (30273759)
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Keywords | 計算機システム / ハイパフォーマンス・コンピューティング / プログラミング言語 / ソフトウエア開発効率化・安定化 / ディペンダブル・コンピューティング |
Research Abstract |
平成24年度は、設計中の汎用性の高い型付中間言語の特色のうち、オブジェクトの初期化(特に循環参照)のサポートを中心に進めた。provisional assumptions という新しい概念と依存型による命令列の妥当性確認の枠組みに関して研究を進めた。OCamlのような言語では循環参照を持つようなオブジェクトの初期化が可能である。そのような循環データ構造の初期化を許すようなプログラミング言語の実装に設計中の汎用性の高い型付中間言語を用いられるようにするには、オブジェクトの初期化(特に循環参照)のサポートが必要である。また、関数クロージャのための環境を扱う実装レベルで考えると、再帰関数のためにはクロージャは自身をその環境に含める必要がある。本研究では、初期化しようとするオブジェクトのための最終的に得たい仮定についてのprovisional assumptionという一時的な仮定を導入し、これが仮定されている間は、型情報を操作するための型coerce命令のみが許されるようにすることで、正当に(型検査可能な形で)循環参照を持つようなオブジェクトの初期化を可能とした。また、余帰納法との関連を考慮する必要があることが、発表時の質問などから分かった。特に、型coerce命令以外の命令も許すことができるのかを明確にする必要がある。その他、文字列や配列の一般的取り扱いなどについて、検討を進めるとともに、正確なごみ集めのサポートの課題の整理を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、設計中の汎用性の高い型付中間言語の特色のうち、オブジェクトの初期化(特に循環参照)のサポートを中心に進めた。provisional assumptions という新しい概念と依存型による命令列の妥当性確認の枠組みにおいて、その応用をある程度拡大することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、特に正確なごみ集めのサポート方式の確立をめざし、言語設計を進める。また、文字列や配列の一般的取り扱いなどについて、平成24年度から継続する。このうち、正確なごみ集めのサポートが最も挑戦的な課題である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度も重要な国際会議が国内で開催されていたこともあり、次年度に使用する予定の研究費が生じた。当該研究費は翌年度以降に請求する研究費と合わせてより有効に活用して、今後の研究を予定通りに進めるものとし、各種学会への参加等を通して、情報収集に努めるとともに、適宜、中間結果の発表を行い、フィードバックを得る。また必要に応じて開発環境を整備を行う。
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