2011 Fiscal Year Research-status Report
インターネットマーケット理論:新たな経済基盤の創出に向けた挑戦的萌芽研究
Project/Area Number |
23650028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 賢 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (70571173)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ネットワークアーキテクチャ / 理論経済学 |
Research Abstract |
本年度は,インターネットのゲーム理論的モデルを基にして,本研究で想定するマーケットの基本経済モデルについて検討した.マーケット構成要素としては,(a) 計算機資源提供者(単に,資源提供者と呼ぶ),(b) 計算機資源利用者かつサービス提供者,及び,(c) サービス利用者を考慮した.本研究で想定するマーケットでは,(a)は(b)に資源を提供することで,また,(b)は(c)にサービスを提供することで,収益を得る.ここで,資源およびサービスの価格を各自が設定する自由市場を想定すると,資源提供者間,および,サービス提供者間で価格競争が生じ,物価(資源およびサービスの価格)に影響を及ぼす.また,構成要素の相互作用により集合的にサービスを提供すること,(ii) 多種類の資源・サービスの存在を仮定すること,(iii) 経済学の分野で利用されている価格の設定方法(プライシング方法)を個々の行動モデルに適用することを検討した.最終的には,以上に述べた基本経済モデルを数学的に表現(定式化)した.各構成要素をグラフ上に展開し,また,各構成要素の収益関数を定義し,各々がそれを最大化するように価格設定を行う非協力ゲームとして定式化を行った.より具体的には,この収益最大化問題(最適化問題)を,資源提供者の収益関数をU,資源の値段をRとすると「Maximize U(R), subject to constraints」のように定義した.ここで,constraintsには,資源の性質やグラフにおける位置(局所的相互作用を考慮する為)に関する制約を含めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の研究計画通りに研究が進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に構築した数学モデルの解析,および,数学モデルに基づくシミュレーションを通して,物価の安定性を検証する.結果として,物価の急激な変動を抑え,マーケットの安定を促す条件を同定する.また,研究成果を世界に向けて発信する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが,研究計画に変更はなく,前年度の研究費も含め,当初予定通りの計画を進めていく.(研究成果発表,及び,情報収集の為の旅費を計上する.また,数理解析やシミュレーション実験の補助を行う研究員を雇用するための人件費を計上する.)
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