2011 Fiscal Year Research-status Report
月観測データの横断検索を実現するWebGISの研究
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23650046
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
石川 博 静岡大学, 情報学部, 教授 (60326014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 昌平 静岡大学, 情報学部, 助教 (20443236)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | データマイニング / データベース / 可視化 / Webサービス / 惑星科学 |
Research Abstract |
平成23年度においては、月GISの基盤技術に関する基礎的な検討を行い、実際に動作するGISフレームワークのミドルウェアの開発を完了した。リーモートセンシングデータのデータ量は膨大であり、可視化、データ処理共に分散処理を行う事が前提となる。我々はこれらの問題に対してスケーラブルな分散基盤を実現した。 可視化においては、OGC(Open Geospatial Consortium)の標準技術に準拠しつつ、月観測データを利活用する手法を実現した。特筆すべきはTiled Display Wall環境において、高解像度表示も対応している点である。Tiled Display Wall上の描画手法に関してもHTML5といった先進的な技術に基づいた描画を実現し、OGCのWebサービス群との親和性を飛躍的に向上させた。 データ処理においては、MapReduceの分散環境において、代表的な可視化・クラスタリング技術であるSOM(自己組織化マップ)の高速処理手法を提案し,精度を維持しつつ高速化ができることを確認した。 また研究最終年度に向け、この成果を適用するアプリケーション・プロトタイプの検討を行った。研究協力者のJAXA山本氏と打ち合わせを行い、アポロ計画によって月に設置された地震計のデータを処理・可視化する基盤として適用できないかの検討を開始した。ここでの課題は、長大かつ不均質な波形データに対して、月震と想定される箇所を高速に検索する技術、および結果候補の可視化技術の実現であり、本テーマと親和性が高い。H23年度はこの実現に向けての基礎的な検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゼロベースで開始した研究であったが月データを利用したGISの基盤形成のための基本技術を開発する目途をつけることができた。さらにそれも活かして、24年度には月震データの解析というより科学的価値の高い研究の方向性を見出すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度は月震データの分析・可視化に向けて、長大かつ不均質な波形データに対して、月震と想定される箇所を高速に検索する技術、および結果候補の可視化技術の実現を目指す。 これらの実現により大量時系列データの分析可視化の技術開発に貢献できるだけでなく、将来的には月の組成に関する科学的知見を得られる可能性がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
GISインターフェースの研究を行うためにPC、データストレージ、ソフトウェア等を購入する。また、研究動向調査、研究発表のため、国内および海外への出張費、ならびに図書購入を検討している。 昨年度は、研究の進捗に合わせて、予定していた物品の購入と海外出張を延期した。今年度は海外での調査発表を行う予定であり、そのための実験を行うために必要な物品を購入する予定である。
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