2012 Fiscal Year Annual Research Report
不可視に構造化された光による実空間、実物体ベースの新しいメディア表現法の研究
Project/Area Number |
23650055
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
上平 員丈 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (50339892)
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Keywords | 撮像 / 奥行 / 不可視パタン |
Research Abstract |
平成24年度は、当初計画通り本研究課題の応用技術としての3次元画像再構成技術を検討した。本技術では、空間に不可視パタンを投影する際、パタン特性が空間の奥行きに依存して変化するパタンを照射することにより、撮像画像からこのパタン特性を読み取って被写体の奥行きを推定する。本年度は以下の二つの方法を提案するとともにそれらの実現性を評価した。 1)周期パタンの周波数成分の奥行依存性を利用する方法:本方法では撮影時に微細な周期構造をもつ不可視パタンを被写体に投影し、この撮像画像の被写体像に重畳して写る投影パタンの周波成分の大きさから被写体の奥行を推定する。通常の投射光学系では合焦位置から離れるにしたがって投影パタンの周波成分が減衰する点に着目して、周波数成分の大きさから奥行を推定する方法を考案した。本方法の実現性評価実験から、被写体の奥行き分布を反映した周波数成分の分布が得られることが分かり、本方法の実現性を確認した。しかし、パタンの周波数成分の大きさは、奥行の他、被写体の反射率にも依存するため、高い精度で奥行を推定することは難しく、前景、中景、背景を区別できる程度の精度であることがわかった。 2)撮像画像における周期パタンの周波数の奥行依存性を利用する方法:パタン投影位置と撮像位置を奥行き方向に異ならせれば、撮像画像に写り込む周期パタンの空間周波数が被写体の奥行に依存して変化することに着目し、周期パタンの周波数から奥行の推定する方法を考案した。本方法では、パタンの周波数から奥行を推定するので、被写体の反射率の影響は受けない。実験から、本方法でも被写体の奥行き分布を得られること、また上記1)の方法より高精度で奥行の推定が可能であることを明らかにした。 以上の実験から、通常の2次元用カメラで撮影した画像中に3次元情報を埋め込むことが可能であることを示すことができた。
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