2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23650058
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
藤田 欣也 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30209051)
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Keywords | バーチャルリアリティ / 力覚 / ウェアラブル / 力覚レンダリング |
Research Abstract |
本研究では,バーチャル空間の物体を指で直接把持して操作する作業の実現に向けて,把持物体を他の物体と干渉させて行う作業において重要な,①指先への接線力や法線力,さらに手全体へのトルクを,複数の指先に印加する振動の強度と位置を動的に制御することによって提示する,ウェアラブルな疑似力覚提示デバイスを開発すると共に,②ユーザの指先位置を拘束できないウェアラブル力覚提示デバイスの特性に対応した,力覚レンダリング法の開発を行った. デバイスは,指腹に接触する5個の振動子によって振動ファントムセンセーションを誘起し,その強度と位置によって接線力と法線力の3自由度を疑似的に提示する装置を開発した.指腹に平行な回転軸まわりに正逆転する回転刺激を,PWM変調することによって,指先装着部の薄型化と振動周波数を一定に維持したままでの振動強度制御を実現した.さらに,開発したデバイスを拇指と示指に装着し,2指の振動位置を制御することで,並進力や回転トルクを疑似的に提示可能であることを確認した. また,ウェアラブルな疑似力覚提示装置を用いた場合,ユーザの指先がバーチャル物体に侵入し,バーチャル空間で指の代理物となるプロキシと実指の距離が過大になるため,反力を計算する主たる方法であるバーチャルカップリングの係数を小さく設定する必要がある.しかし,係数を小さくすることによって,把持物体が他の物体に接触した際のトルクの知覚が困難になることから,手の回転による位置差成分を抜き出し,手の回転によるトルクのみを増大させる,回転強化バーチャルカップリング法を考案し,その有効性を確認した. 以上の研究により,ウェアラブルな指先装着型デバイスによる,視覚に依存しない手指を用いたバーチャル作業の実現可能性が示された.
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Research Products
(5 results)