2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650060
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
北崎 充晃 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90292739)
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Keywords | 情動 / コミュニケーション / 身体性 |
Research Abstract |
人のコミュニケーションでは,意味的な情報と同時に情動・感情が伝えられる。本研究では,身体に表出される情動情報を,できるだけ直接的に他者に伝え情動を喚起させるシステム,二人が双方向に相手の情動を体験するシステムや複数人の統合情動を体験するシステムを開発する。そして,情動情報の提示を身体的に物理量として操作し,感じられる情動を心理物理学的手法によって計測し,客観的評価を行うことを目的とする。 (1) 身体性情動センシング(計測)システムの開発:Webカメラを用いた表情認識について,表情画像取得領域の最適化とアルゴリズムの最適化を行い,約倍の高速化を行った。 (2) 身体性情動アクション(提示)システムの開発:視覚的に,変形した表情をフィードバックする方法を,変形領域とアルゴリズムを改訂して最適化した。さらに,小型振動モータを介して,触覚刺激を与えるシステムについて,表情を生成する筋肉部位とその運動を調べて,最適な振動モータ数や,部位,刺激方法を検討した。 (3) 一方向性情報認知の心理実験:(1)で構築したシステムで取得した目と口に画像変換をくわえ,(2)のシステムでリアルタイムに表情変換を行って提示するシステムを用いて,怒り,喜び,および悲しみの3表情について,心理実験を行い,被験者の情動誘導の効果を定量的に確認した。現在,論文執筆中である。(4) 双方向性情動認知の心理実験:上記システムを用いて,2者が対話する時の表情を操作して,情動誘導の効果を調べる予備実験を行った。また,ヘッドマウントディスプレイを用いた表情変形ARシステムを開発した。 また,上記システムおよび実験については研究協力者松嵜直幸(ウェイン州立大学医学部・研究員,平成24年12月よりサントリー研究員)と議論しつつ進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年度に予定していた「情動変換処理と身体性情報通信システムの開発」について,視覚と触覚についてシステム開発が順調に進んだ。特に初年度からさらに最適化を行うことで,性能が向上した。同じく予定していた「一方向性情動認知の心理物理実験」について,視覚と触覚について実験を終了し,視覚については論文執筆の段階である。触覚については,実験の結果,刺激方法のさらなる最適化が必要であると判断した。また,最終年度に予定している「双方向性情動認知の心理物理実験」のためにシステムと予備実験も先んじて行っている。したがって,総合的判断して,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
第三年度は,「双方向性情動認知の心理物理実験」として,2人のユーザの情動認知がどのように相互作用するかを情動情報の定量的操作によって検討する。視覚的な情動変形については最適化が終わったが,触覚については未だ途中なので最適化を完了し,まずは触覚の単一モダリティの実験を行い,その後,視覚・触覚のクロスモーダル実験を行う。 また,国内外の学術会議および学術論文誌にて研究成果の一部を発表することも計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
触覚刺激提示装置の作成のためにマイコンや振動モータ,制御通信装置を購入する。また,国内外の学術会議のための旅費・登録費,学術論文誌への投稿のための投稿料を支出する。
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