2011 Fiscal Year Annual Research Report
射出瞳の結像による高解像度立体映像伝送システムの開発
Project/Area Number |
23650064
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
前川 聡 独立行政法人情報通信研究機構, ユニバーサルコミュニケーション研究所超臨場感映像研究室, 主任研究員 (60358893)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 視差方式 / 立体ディスプレイ / 2面コーナーリフレクタアレイ / 射出瞳 / マルチプロジェクター / 調節と輻輳 / 実像 |
Research Abstract |
本研究では,面対称位置に実像を結像する機能を持つ2面コーナーリフレクタアレイ(以下,DCRA (Dihedral Corner Reflector Array))を用い,DCRA素子面の下部に配置した拡散板をスクリーンとしてプロジェクタアレイからの映像を投影し,各プロジェクタの射出瞳をDCRAによって空中に結像(拡散板によりぼかされる)させることによって三次元映像を表示するシステムを構築し原理検証を行った.また,プロジェクタアレイのスケールアップを容易にするため,各プロジェクターにCPUを持たせた分散システムを構築した.瞳結像を行うマルチプロジェクション方式の立体ディスプレイにおいては,カメラアレイによって取得した映像を計算機による加工なしに直接共役な位置に配置されたプロジェクタによって投影することで,立体映像の伝送が実現できる利点がある.これは伝送路の問題が生じない近接での三次元映像環境の再現に適しているといえる.瞳結像を行う光学素子としてフレネルレンズを用いるものが従来からあるが,この場合には固有焦点距離があるので,瞳の結像とスクリーン映像の結像は同時には行えないため,レンズとスクリーンは一体として配置する必要がある.一方,本研究のようにDCRAを利用した場合には,瞳の結像とスクリーン映像の結像が同時に行えるため,スクリーン映像を実像として素子面手前に提示することが可能となる.このため,飛び出す立体映像表示を行った際に,調節と輻輳の矛盾を軽減できるという特徴を持つ. なお本研究の成果については2012年度三次元画像コンファレンスにて発表予定である.また,特許出願についても,特許事務所に依頼中となっている.
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