2013 Fiscal Year Annual Research Report
大規模複雑システムのための階層構造創発メカニズムの構築
Project/Area Number |
23650071
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
栗原 聡 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 教授 (30397658)
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Keywords | twitter / デマの拡散 / 複雑ネットワーク / 創発モデル / SIRモデル / 感染 / ハブ / スケールフリー |
Research Abstract |
脳や人体・社会システムなどの大規模複雑システムにおいて、脳における神経細胞ネットワークと意識、そして人体における細胞と臓器の関係等は、個々の階層がある要素集合によるネットワークとして構成され、そのネットワークとしての振る舞いが別の階層における要素を生み出すというダイナミクスを持ち、階層が階層を生み出す関係にありながら、個々の階層におけるダイナミクスは階層ごとに独立しており、個々の階層にて流れる時間の粒度も階層ごとに異なる特徴を持つ、「複雑系階層構 造」である。 そして、大規模化・複雑化が加速するインターネットやアンビエントネットワーク等の情報社会インフラにおける新しいシステムを構築するに際し、従来の還元論型の工学的階層構造では大規模複雑システムを構築する手法としては限界がある状況において、これ を可能とすることが期待される複雑系階層構造を工学的に利用する手法の確立を目指す。 昨年実施した,twitterにて拡散するデマ情報の拡散の様子のモデル化と,拡散を収束させるための方策の検討であるが,デマおよび訂正情報の拡散が1回のみの現象についてをSIRモデルを拡張させたモデルでの再現を成功させた.ただし,拡散が複数回発生する現象については,再現はできないモデルであったことから,各ノードに自律的情報処理能力を付与したマルチエージェント型の情報拡散モデルを新たに提案し,拡散が1回および複数回といった現象においても再現させることに成功している. また,本研究テーマにおける多段創発メカニズムについて,ACO型の多段創発アルゴリズムの根幹部分に相当するアルゴリズムの創出を行った.初期評価実験として,マーケティング時系列データからの特徴的な顧客行動パタン抽出に適用し,アルゴリズム動作の検証ならびに,上位レベルの行動系列抽出の可能性を確認するに至っている.
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Research Products
(5 results)